米ベトナム、中国にらみ連携強化へ 関係を格上げ

産経新聞

ニューデリー大内清

 

 

 

バイデン米大統領は10日、ベトナムの首都ハノイを訪問し、同国最高指導者であるベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長と会談した。両首脳は会談後、両国関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすると正式に発表した。インド太平洋地域で覇権的な行動を強める中国を念頭に、半導体サプライチェーン(供給網)の再編・強化や先端技術分野などで連携を強化するとしている。 バイデン氏は会談後の記者発表で、「ベトナムはこの非常に重要な地域で決定的な役割を果たしている国だ」と称賛。チョン氏は、両国の関係が「新たな高みに到達した」と関係強化を歓迎した。 米ベトナム関係はこれまで「包括的パートナーシップ」だった。通常は「戦略的パートナーシップ」が次の段階だが、今回はそれを飛ばして「包括的戦略パートナーシップ」に引き上げた。バイデン氏は記者発表で「両国関係の強さを反映した重要なステップだ」とし、異例の格上げの意義を強調した。 ベトナムは従来、米中間でバランス外交を展開してきたが、近年は南シナ海の領有権問題などで中国と対立。バイデン政権には、安全保障面でもベトナムとの連携強化を模索する狙いもあるとみられる。 かつてベトナム戦争で戦火を交えた両国は1995年に国交を正常化。米国はその後、武器関連の禁輸措置を段階的に緩和し、オバマ政権期の2016年に武器輸出を全面解禁した。 一方でベトナムはなおも兵器体系の多くをロシアに依存している。米メディアは最近、ベトナムが軍装備の近代化に向け、ウクライナ侵略を続けるロシアから秘密裏に武器調達を図っていたと報じており、この日の首脳会談でも議題に上ったとみられる

 

 

 

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