異彩を放つ板張りオフィスビル、健全性を保つも一部で変色進む
Part1 有名建築メンテのリアル(2)
松浦 隆幸
京都のビジネス街に鮮烈な印象を与えた下見板張りのオフィスビルは15年たった今も健在だ。ただし、部分的に板材が黒ずむなど、経年変化は徐々に進んでおり、初めての本格的なメンテナンスを検討している。
「第15長谷ビル」は2008年春に京都市のビジネス街、四条烏丸エリアに完成した。鉄骨造の地上9階建ての賃貸オフィスビルだ。ガラスや石、タイルで覆われたオフィスビルが林立する街中にあって、目に鮮やかなスギの下見板張りに包まれた外観は異彩を放っていた〔写真1〕。
〔写真1〕下見板張りの9階建てオフィスビル
京都市を南北に貫く烏丸通に面して東向きに立つ。鉄骨造の賃貸オフィスビル(写真:母倉 知樹)
[画像のクリックで拡大表示]
3階から上に、京都府産のスギを用いた下見板張りの外装材をまとう。新築時に木材保護塗料で施工した(写真:生田 将人)
[画像のクリックで拡大表示]
建て主は、京都市の都心部を中心に不動産賃貸業などを営む長谷ビル(京都市)。
「これからの時代を想定したワークスペースの在り方や働き方などを考えて事業に取り組んでいるという当社の意思を表示する象徴として建設した」と、同社代表取締役社長の長谷拓治郎氏は説明する。
その思いを託された
設計は、意匠と全体プロデュースを手掛ける河井事務所(京都市)と、
エンジニアリングを担当する大建設計(東京都品川区)のチームが取り組んだ
異彩を放つ板張りオフィスビル、健全性を保つも一部で変色進む | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)