新木場で医薬開発向け施設が続々、三井不動産が新施設の内部を公開
水 達哉
日経クロステック
三井不動産は2023年5月18日、研究開発を想定した賃貸ラボ&オフィスの新施設「三井リンクラボ新木場2」をメディアに公開した。新木場エリアでの同ブランド2棟目となる。同時に、「(仮称)三井リンクラボ新木場3」の開発決定も発表した。新木場は複数の鉄道路線が通り、都心から近く利便性も高い。同社ライフサイエンス・イノベーション推進部ラボ&オフィスグループ主任の高木吉盛氏は、「新木場を研究者が集まる街にしていく」と意気込んだ。
三井不動産ライフサイエンス・イノベーション推進部ラボ&オフィスグループ主任の高木吉盛氏。メディア向け説明会で意気込みを語った(写真:日経クロステック)
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もともと同社は、ラボと賃貸オフィスがセットになった施設の賃貸事業「三井のラボ&オフィス」を19年5月から展開していた。三井リンクラボはその1つで、創薬や再生医療などを研究する企業を想定顧客とする施設だ。バイオ・セーフティー・レベル(BSL)2に対応したウェットラボ仕様で、人体に有害な液体・気体を扱う実験を行える。
各階のラボ専有部。貸室内へ給排水の配管や排気ダクトを設置する(写真:日経クロステック)
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三井リンクラボ新木場2は、東京メトロ有楽町線・JR京葉線などが通る新木場駅から徒歩7分の立地。建物は鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造の地上4階建て、敷地面積は約9000m2、延べ面積は約1万8200m2、総貸付面積は1万4600m2だ。三井のラボ&オフィスでは最大規模のフラッグシップ物件となる。デザイン監修を英国ロンドンの建築デザイン事務所Quality Innovation Unitedが手掛け、基本計画は日建設計、設計・監理と施工は竹中工務店が担当した。
2023年5月18日に公開した新築賃貸ラボ&オフィス施設「三井リンクラボ新木場2」(写真:日経クロステック)
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同施設の特徴は、よりスタートアップ企業に入居しやすい仕様に設計したことだ。約70m2~約100m2の小規模区画を用意し、一部にはコンセントやシンク台などをあらかじめ整備する。実験に使用する汎用機器を共同利用できる共通機器室も設置した。月額賃料や入居時の初期投資を最小限にし、低コストで実験ができる。
スタートアップ企業に向けた小規模区画(写真:日経クロステック)
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共通機器室。セルアナライザーやリアルタイムPCRなどを配備する。入居者が利用可能だ。機器により異なるが、30分ごとに数百円からレンタルできる。利用前にウェブサイトから予約を行う(写真:日経クロステック)
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同社は今後さらに新木場エリアの開発を加速させていく構えだ。「(仮称)三井リンクラボ新木場3」は23年夏に着工、24年秋の竣工予定。賃貸オフィスと会議室を備えた「ライフサイエンスハブ新木場」の開設も新たに発表し、計4施設での運用を計画している。他のエリアでは、大阪・中之島の未来医療国際拠点でも事業を展開し、24年竣工を目指して同様のラボを建設。充実した研究環境を提供し、新しいイノベーションを創造していく
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