指導層は取るべき行動わかっていない」ロシア強硬派が批判…ワグネル創設者は「革命」に言及
ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ侵略を巡って、厳しい戦況をSNSで暴露して戦時態勢への即時移行を主張する強硬派勢力に手を焼いている。強硬派勢力は、露軍がウクライナ軍に敗北し、露国内が大混乱に陥るシナリオに踏み込んでおり、世論の反発や動揺は避けたいプーチン氏の基本方針と異なるためだ。強硬派の主張が浸透すれば、将来的に政権の土台を揺るがす恐れもある。
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強硬派勢力の代表格は、侵略作戦に部隊を派遣している露民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏だ。23日、SNSに投稿されたインタビューで「ロシアがウクライナで損失を積み重ねれば革命が起きかねない」と述べ、プーチン氏に戒厳令の全土発令と総動員を求めた。
プリゴジン氏は「ウクライナは世界最強の軍隊の一つになった」とも評した。プーチン氏が侵略を「特殊軍事作戦」と称して戦争と一線を画したままでは、侵略目的の一つに掲げているウクライナの「非軍事化」は達成できないとの認識を示したものだ。
強硬派勢力は、SNSでの支持を背景に政界進出を模索する動きも出始めている。2014年に勃発したウクライナ東部紛争に参戦経験のあるイーゴリ・ギルキン(ストレルコフ)氏ら12人は政治団体「怒れる愛国者クラブ」を設立し、今月12日にモスクワで記者会見を開いた。国内第2の都市、西部サンクトペテルブルクに支部も作った。
ギルキン氏はプーチン氏が構築した体制護持を強調しながら「指導層は取るべき行動がわかっていない」と批判する。SNSにはウクライナ軍の大規模な反転攻勢で想定される露軍の敗北シナリオも投稿している。
強硬派勢力に共通するのは、露軍の敗色が濃厚になれば米欧の支援を受けたリベラル勢力が政権転覆を画策する事態への危機感だ。プーチン氏の主張と重なっており、反戦運動のように封じ込められない面がある。
政権内部の有力者や情報機関が、強硬派勢力を各自の思惑に基づき後押ししているとの分析もある
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