三重・志摩のリゾートマンション施工不良、管理組合が大和ハウスなどに約3億円請求
坂本 曜平
日経クロステック/日経アーキテクチュア
鉄筋のかぶり厚不足が原因で、コンクリート片の落下などが相次いでいる――。三重県志摩市に立つマンションの管理組合が、販売者の大和ハウス工業と施工者の三井住友建設(建設当時は住友建設)を相手取り、不法行為責任などに基づき約3億円の損害賠償を求める裁判を津地方裁判所に起こした。提訴は2023年3月2日付。
ロイヤルヴァンベール志摩大王崎の外観。三重県志摩市の観光スポット、大王崎の近くに立つ(写真:ロイヤルヴァンベール志摩大王崎管理組合)
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問題のマンションは、1997年に竣工した「ロイヤルヴァンベール志摩大王崎」。鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の14階建てで、低層階でも海の眺望が楽しめるリゾートマンションとして建設された。
訴状によると、2001年ごろからマンションのベランダや廊下などでひび割れやコンクリート片の落下などが相次いで発生。管理組合が調査会社に原因究明を依頼した結果、鉄筋のかぶり厚不足が判明した。管理組合は09年に大和ハウス工業などの責任を追及。大和ハウス工業などは施工不良を認めて、三井住友建設が10年に無償で修繕工事を実施した。
問題は解決したと思われたが、20年ごろから再びコンクリート片の落下などが相次いだ。21年7月にはベランダで約1.5kgのコンクリート片が落下。これらも鉄筋かぶり厚不足が原因だと判明した。
2021年7月にベランダで落下した重さ約1.5kgのコンクリート片(写真:ロイヤルヴァンベール志摩大王崎管理組合
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