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「母親は息子の行動に頭を悩ませていた」家族づきあいをしていた知人が明かす木村隆二容疑者の実像
選挙に対して強い不満
和歌山市の漁港で補選の応援中だった岸田文雄首相が襲撃された事件。発生から間もなく1週間が経とうとしているが、自製の爆弾を投げて逮捕された木村隆二容疑者(24歳)は、いまだにその動機について明確にはわかっていない(18日現在)。
しかし、各種の報道によって木村容疑者の「これまでの足取り」はわかってきた。 なかでも奇異に映るのは、木村容疑者が個人で国を訴えていたことだろう。
「木村容疑者は現行の選挙制度に強い不満を持っていたことが明らかになっています。というのも、木村容疑者は昨年6月、国を相手取り、神戸地裁に損害賠償を求めて訴えを起こしていたのです。訴えの内容は、『参議院選挙に立候補できる年齢が30歳であることは、法の下の平等を定める日本国憲法に対する違反だ』というものでした。それも本人訴訟、つまり弁護士に頼らず自分で裁判を起こしたのです」(全国紙社会部記者) 岸田首相を狙った理由の一端も、この裁判の過程で見えてくる。 「昨年10月に木村容疑者が提出した主張紙面によると、『国民の大半が反対していた安倍元首相の国葬を強行したのは民主主義への挑戦であり許されない』という旨のことが書かれていたのです。これが直接的な動機となっているかはまだわかりませんが、現政権に対して個人的な怒りを募らせていた可能性は高い」(同) 実は、木村容疑者の過去をたどっていくと、子供のころから「周りに理解されない行動」が多々あったようだ。
「隆二のしつけで困っている」
中学時代の木村隆二容疑者。この頃には周囲から浮いていたとみられる
木村家と家族ぐるみの付き合いがあった知人の一人が明かす。
「子どもの頃の隆二君は、いつもひとつ年上のお兄ちゃんの後をついて回っててね。一人でおるところはあんまり見なかった。お兄ちゃんは勉強もできる優秀な子で、隆二君は末っ子だったから、お母さんからもよくかわいがられてたよ。ただね……」
母親とよく子育ての話をしたというこの知人は、こう語り始めた。
「昔、お母さんからこう相談を受けたことがあったんですよ。
『隆二のしつけで困っているんです』と。
具体的には、伝えたことが本人に伝わりにくいとか、
他人と話そうとする能力が乏しいんじゃないかとか…
相当悩んでましたね。
『小さい子なんてそんなもんですよ』と話していたんですが、それはずっと変わらんかったみたいで、それで、小学校5年生ごろから友達の中でも浮きはじめたんですよ。 いじめられてた、みたいな報道があったけど、いじめというより、周りから人が離れていったんちゃうかな。周囲から孤立していったという感じだから、どんどん人との接点が少なくなっていって、引きこもりがちになっていったんです」
「息子とのコミニケーションの取りづらさに家族も悩んでいた」とこの知人は証言するのだ
「市議会選挙に出たい」と国会議員に訴え
周囲から孤立する中で、木村容疑者は政治の世界に関心を向けていったようだ。 木村容疑者が住んでいたのは、比較的政治活動が活発に行われる地域だったようで、地元の政治家が市政報告会などを熱心に開いていたという。
昨年、木村容疑者がある市議の報告会に参加していたことは
すでに報じられているが、
ある地元住民も、この集会について明確に覚えているという。
「あの集会があったことは、この地域の人ならほとんど知ってると思いますよ。というのも、その市議が県政に挑戦すると決めていて、日ごろから活動に力を入れていたんですよ。
ビラもよく撒かれていたし、よく宣伝カーが通って、演説もしていました。
それを彼はキャッチしてしまったんやろね。その過程で、報告会のことも知ったんでしょう」
本誌は、
木村容疑者が出席したとみられる報告会を開いた市議(当時は現職)に話を聞いた。
「その男性が木村容疑者だったのかはわかりません。ただ、その報告会が終わった直後に、若い男性が私のところに話を聞きに来たのは事実。質問というか、感想を述べるという感じで、議員報酬について詳しく尋ねてきたことをなんとなく覚えてますね」
この市政報告会にゲストとして出席していた自民党の大串正樹衆議院議員は、17日、報道陣から「木村容疑者のことについて覚えているか」と聞かれ、
「覚えている。『市議会選挙に出馬したいが、被選挙権が25歳なので選挙に出られない。これは憲法違反だ。誰でも選挙に出られるようにしなければならない』と訴えてきた。これに対し『社会の仕組みをしっかりと勉強し、25歳になれば選挙に出られるという考え方は、国民のコンセンサスが得られている』と応じた」 と明かした。
政治的な思想や社会の捉え方を理解してもらえない憤りのほどき方は、
いくらでもあったはずだ。
木村容疑者は、その中でも最悪の選択肢を選んでしまった。
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週刊現代(講談社
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