木村容疑者は現在暮らしている一戸建てに父、母、兄、姉と共に移り住んできた
近隣住民らによると、木村容疑者は川西市内のマンションで育った。そして2008年に、そこから1キロ離れた現在暮らしている一戸建てに父、母、兄、姉と共に移り住んできた。自宅は区画整備がしっかりとなされたニュータウンに位置し、ガレージと庭付きの小ぎれいな一軒家だ。一見するとテロ事件を起こす容疑者が暮らす自宅とは到底イメージが結びつかない。
将来の夢はパティシエか発明家
木村容疑者は小中高と地元の学校を卒業したというが、学生時代の印象はどうだったのか。小学生時代に同じマンションで暮らしていたという元同級生の男性は、木村容疑者の印象についてこう振り返る。 「すごい明るいヤツでした。小学校の休み時間にボール遊びや鬼ごっこをする時も、いつも同級生たちの輪の真ん中にいるような子供でした。同性からは人気者でしたし、女の子からもモテたんじゃないかな。 卒業文集にある、将来の夢を語るコーナーには『パティシエか発明家』になりたいと書いていました。自分が考えたチョコレートを使った、お菓子のアイデアを紹介していましたね。発明家としては、高齢者のために、料理や洗濯をする役に立つ機械を作りたいと書いていました。優しいヤツだと思っていたので、まさか爆弾なんて物騒なものを扱うとは想像もしませんでしたが……。
中学生になってからは生徒数が増えて目立たなくなったというのもありますが、
急に“陰キャ”になったイメージです。
話した記憶すら全くありません
「コロナが流行った2021年ごろまでは朝に家を出て、夕方に帰宅する生活を送り、どこかで働いている様子でした。
でも、それ以降はりゅうくんを外で見かける頻度はぱったりと減りましたね。平日の昼間だというのに、2階の窓からは、一生懸命ギターを弾く音が聞こえてきて、自作の曲なのか何なのか、歌を乗せながら不器用に練習している様子でした。昼間だし、決してうるさくて迷惑というわけではないんですが、
働きもせず大学に行っている様子もないし、単純に大丈夫なのかなぁと、少し心配はしていたんです。
ただ、狂暴とか暴力的だとか、そういった悪い印象はなかったですよ。りゅうくんは、髪が長くてあんまり顔がしっかりと見えないのですが、目を合わせれば会釈をして挨拶もしますし、優しい子なんだろうなという印象はありました」(近隣住民の女性) この女性が木村容疑者のことを「優しい子」だと思った理由は、母への親孝行な姿勢にあったのだという。
小ぎれいな一軒家で母と過ごす、ギターとガーデニングの日々
「この辺は近くにスーパーもコンビニもないんですが、りゅうくんが夕方、よく母親の運転で日用品の買い物を手伝いに、一緒に出かける姿を見かけることがありました。若いのに親孝行だなと思いましたよ。あとはガーデニングは、りゅうくんがメインでやっていたんじゃないかなぁ……。
1カ月前くらいにも、庭をいじる姿を見ました。
もう何年もりゅうくんの
お父さんの姿を見かけた記憶はありませんが、
お父さんの分までお母さんと時間を過ごすことを大切にしているような、
お母さん子だという印象でした」
小ぎれいな一軒家で母と過ごす、ギターとガーデニングの日々。テロリズムとは全く無縁に見える24歳の青年は、なぜ突如凶行に走ることを選んだのか――。今後の捜査の進展が待たれる。
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