北海道新幹線の札幌延伸で費用が「効果」を上回る、資材高騰などで
奥山 晃平日経クロステック/日経コンストラクション
2030年度の開業を目指す北海道新幹線の札幌延伸で、事業費の大幅な増加に伴い、費用便益比(B/C)が1を下回ったことが分かった。国土交通省は、事業には金額で表せない効果があるとして建設を継続する。同省が23年3月31日に発表した。北海道新幹線の延伸区間(出所:国土交通省)
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B/Cは、開通に伴う移動時間の短縮効果などを金額に換算した「便益」を、事業費で割った数値だ。1を下回ると、投じた費用に見合う効果が得られないことを示す。
整備新幹線では5年に1度、あるいは事業費が増えたときにB/Cを算出。この数値を基に事業の妥当性を評価する。札幌延伸について前回評価から5年たった22年度にB/Cを算出したところ、0.9となった。工事に着手した12年度と、その5年後の17年度に算出したB/Cは、いずれも1.1だった。
北海道新幹線の札幌延伸における費用便益の分析(出所:国土交通省)
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トンネル工事で発生する掘削土の受け入れ地確保の難航や、資材価格の高騰などの影響で、当初の計画より事業費が大幅に増加した。国交省は22年12月、事業費が6445億円増えて2兆3145億円になるとの試算を明らかにした
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