3万円高級寿司”が6千円! 新業態「中価格帯」が人気 “まちの寿司屋”減少で続々

テレビ朝日系(ANN)

 

 

 

All Nippon NewsNetwork(ANN)

 

 

 

 

 

日本の国民食「お寿司」に新たな動きです。回転寿司などの低価格の店や高級店とは一線を画す“中価格帯”の寿司店が人気を集めています。高品質のネタがお得に楽しめる、新たなスタイルのお寿司とは? 

 

 

 

 

 

■“街の寿司屋”減少

 

 店主の高齢化・後継ぎ不足

 

  老若男女問わず、国民に愛される日本の伝統食・寿司。

 

 

  一皿100円台から楽しめる格安の回転寿司チェーンに人気が集まるなか、

 

銀座など1人数万円の超高級店では、

予約が取れない現象も起きていて、

“価格の二極化”が進んでいます。  

 

 

背景にあるのは、客単価5000円前後という中価格帯を担ってきた“街のお寿司屋さん”の減少です。  

 

「千両寿司」店主・原陽一さん:「(かつては)近くだけで5、6軒はあった。

 

 

今はうちだけになってしまった。後を継ぐのがいないんですよね」  

 

68年にわたって地元の人に愛されている、小田原の寿司店の大将・原さん。店主の高齢化と後継ぎ不足は深刻だと話します。  

 

原さん:「おそらくもっと減っていくのではないか、寿司屋自体が」  

 

 

 

こうしたなか、空白地帯となった客単価5000円前後の“中価格帯”を狙った寿司店が次々とオープンし、人気を集めています。

 

 

 

 

 

 

 ■数千円の高級こぼれ寿司が…“549円”で!

 

  去年12月に開店したばかりのお店「ほぼ上野 オスシマチ」。

 

その名物が、フィルムを外すと、細巻きの上にイクラやとろろなどがこぼれる、その名も「マウント寿司」です。  

 

客:「味はおいしいのは当たり前なんですけど、見た目でも楽しませてくれるのはすごいなと」  

 

斬新なネタの組み合わせや“映える”見た目の寿司をつまみに、お酒を飲めるお店として人気を集めています。  

 

仲卸からその日に仕入れた「生本マグロ」の中トロをぜいたくに厚めに切り、マンゴーのような切れ込みを入れたお寿司。お味は…。  

 

ものすごく肉厚ですが、かめばかむほど柔らかく、口の中でじゅわっと溶けていきます。  高級店で食べれば数千円はする逸品ですが、なんとこのお店では、1貫549円で提供しています。 

 

 

 

 

 

■秘密は…利益率高いドリンク&一部調理に機械 

 

 他にも、お店で出しているのは豊洲で仕入れたこだわりのネタばかりですが、お客さんの平均単価は3000円から4000円前後に抑えられています。

 

 

 

  お手頃な価格を実現している秘密を社長に聞くことができました。

 

  スパイスワークス・下遠野亘代表取締役社長:

「ドリンクをすごく飲んでいただけるんですけど、中でもよく飲んでいただけるのがお酒」  

通常の寿司店では、売り上げ全体に占めるドリンクの割合は3%以下だといいますが、この会社では、25%から40%にも上るといいます。

 

 

  利益率の高いドリンクで利益を確保。

 

さらには、一部の調理に機械を使って、人件費を削減することで、他の店に比べ、高品質の寿司を驚きの低価格で提供できているといいます。 

 

 

 下遠野代表取締役社長:

「特に20代、30代の方。ここから次の高級店だったりとか、そういう橋渡しができたらうれしいですね」 

 

 

■“格安”新業態

 2200円の本マグロ“660円”  

“中価格帯”の波は、高級寿司店が立ち並ぶ銀座にもきています。  

 

 

去年4月にオープンした

「鮨 銀座おのでら 登龍門」。

 

 

 

手掛けたのは、ニューヨークなど世界中で店舗を構え、

そのうちの2つの店がミシュランガイドの星を獲得している高級寿司店「鮨 銀座おのでら」です。  

 

 

「鮨 銀座おのでら 登龍門」職人・小林航大さん:

「ネタは本店と同じものを使用しています」  1人3万円からという本店と同じネタを、6000円程度で楽しめる、驚きの価格設定です。  

 

本店で食べれば2200円するという本マグロの中トロは、このお店で食べれば、なんと660円。  江戸前寿司を代表する「小肌」や、自家製の甘ダレをかけた「煮穴子」など、どれも本店の3分の1程度の価格で楽しめます。

 

 

 

 

 

 ■最大の理由は“若手職人”

「下支えの環境に」  なぜ「超高級寿司」を安く提供できるのでしょうか?  それは、立ち食いというお店のスタイルにあります。さらに、最大の理由が…。  

 

小林さん:

「『おのでら』では、お世話になって4年目です」  

「登龍門」で鮨(すし)を握るのは、本店ではお客さんに握ることを許されていない、まだ経験の浅い若手職人。

 

 

 

鮨を握る“勉強料”ということで、価格をリーズナブルに抑えています。  

 

「鮨 銀座おのでら」・坂上暁史統括総料理長:

「先の長い目標だと辞めてしまう子もかなり多い。早く(握りに)携わらさせてあげながら、修行も同時にやっていく。コンセプトは『お客様に育てていただく場所』」  まだ修行中の若手職人。となれば、気になるのがお味ですが…。  

 

 

小林さん:「中トロでござます」  

 

 

 

布施宏倖アナウンサー:「いただきます。口の中で体温で溶けだしていきます。シャリもしっかりとふっくらと一粒一粒食感があって、バランスも完璧な握りです」

 

  「登龍門」で腕を認められれば、本店で握ることもできるといいます。 

 

 坂上統括総料理長:

「一番怖いのは、お客さまのリアルな空気感。そこではじめて緊張感が生まれて、一番心に響くんですよね。彼らが活躍したい場所で活躍できればいい。そういった下支えをしてあげられる環境にしたい」 

 

 

(「グッド!モーニング」2023年4月7日放送分より)

 

 

テレビ朝日

 

“3万円高級寿司”が6千円! 新業態「中価格帯」が人気 “まちの寿司屋”減少で続々(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース