妊産婦、2分に1人が死亡 国連報告書
英ロンドン中心部を歩く女性(2020年4月9日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】
国連(UN)は23日、世界の妊産婦死亡率は過去20年間で34.3%低下したものの、
なお2分に1人の割合で死亡しているとの報告書を公表した。
報告書は世界保健機関(WHO)などがまとめた。
それによると、
妊産婦10万人当たりの死亡数は2020年は223人で、
2000年の339人から減少した。
それでも世界で1日に800人近くの妊産婦が死亡している計算になる。
死亡率の
低下幅を国別で見ると、
ベラルーシが95.5%減で最大だった。
逆に上昇幅が最も大きかったのはベネズエラだった。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、
「すべての女性にとって妊娠は大きな希望であり、プラスの経験となるべきだが、世界の数百万人にとっては極めて危険なものとなっている」と述べた。
その上で「すべての女性と少女が必要な医療サービスを利用でき、性と生殖に関する権利を行使できるようにすることが急務だ」と強調した。
2020年の妊産婦死亡数のうち、
約7割をサハラ以南のアフリカ諸国が占めた。
報告書を執筆したジェニー・クレスウェル(Jenny Cresswell)氏は、
死亡率はオーストラリアやニュージーランドの「136倍」と指摘している。
深刻な人道危機に見舞われている
アフガニスタンや
中央アフリカ、
チャド、
コンゴ民主共和国、
ソマリア、
南スーダン、
スーダン、
シリア、
イエメンなどでも、
死亡率は世界平均の2倍以上となっている。
【翻訳編集】 AFPBB News