”いいとこどり、クレーバーです”
ピッドホンは“生半可じゃない”! AVIOT
この”ピャホン”などという言葉は、
何百回も、ネットで見てきておりますが、
名前付け自体が”ちゃちそうで。漫画チックでーーーー”
まともに、見ないで、数年間、無視してきましたが、
(もちろん、この人のバンド名も、音楽も、何も知りません、ききませんですがーーーー)
下の記事を見まして、
「すべて、こみこみ」とは、すごいです。
しかも、音を聞いておりませんが、
このおねだん(8万円位????)でも、C/P高そうですし、
”半分オープン””というところが、気に入りましたし、
有線も使えるところが、素晴らしいです。
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ピッドホンは“生半可じゃない”! AVIOT「WA-Z1PNK」の鳴らす、圧巻の描写力に大満足
高橋 敦
ヘッドホン「WA-Z1PNK」が発売された。
待望の通称 “ピッドホン” の登場だ。
「WA-Z1PNK」¥OPEN
平面磁気駆動型ドライバーを搭載し、LDAC対応のBluetoothワイヤレス仕様でありつつ、バランス駆動を含む有線接続にも対応。外観も装着感も見事な仕上がりだ。
まさにピッドホンは、ピヤホンのファンのみならず幅広い音楽ファンにとって、要チェックな最新モデルと言える。本稿では、そんな本機の仕様や特徴、気になる無線・有線それぞれの試聴インプレッションなどを紹介しよう。
平面磁気駆動型/セミオープンを採用! こだわりの詰まった“音質特化型”モデル
ではまず、本製品の製品仕様や技術内容などから紹介していこう。最大のポイントは、やはり平面磁気駆動型ドライバーの採用だ。一般的なドライバーの振動板は、外部の磁気回路から押し引きされることでピストン・モーションを得ているのが通常である。
対して平面磁気駆動型ドライバーでは、振動板自体が磁気回路の一部となっており、振動板はその全面で磁力を受けて一律に駆動する。すると、振動板全体が乱れなくフラットなままに上下動し、歪みや位相乱れの低減、レスポンス向上など多くの利点を得られる。ピッドホンではそれを採用しているのだ。
ヘッドホンの⼼臓部とも⾔えるドライバーに、「平⾯磁気駆動型」ドライバーを採⽤しているのが大きな特徴
また、平面磁気駆動型がやや不得手とする音圧感や量感については、セミオープン構造ハウジングとその内部のチャンバーによる音響設計で補強している。この抜け目のない仕様、ピエール氏の音へのこだわりが強く感じられる。
平面磁界駆動型の不得手とする部分を、セミオープン構造のハウジングでカバー
とはいえそのドライバー性能も、その前段のワイヤレス部分がボトルネックとなっては台無し。そこでピッドホンでは、まずBluetoothコーデックとしてハイレゾワイヤレスの認証を通過したLDACにも対応。さらに、Bluetoothチップに一体化されたDAC/ヘッドホンアンプ回路は使わず、定評あるESS社のオーディオ専用チップを搭載し、D/A変換精度、S/N、駆動力等を確保。ドライバーに送り込む音楽信号の純度やパワーも十分に高めている。
さらに、ケーブル接続での有線利用にも対応し、それはUSBデジタルではなくアナログでの接続。つまり本機は、有線接続時には純然たるパッシブのヘッドホンとして動作し、本機搭載のDACやアンプは使用されない。この点は有線接続時の大きなポイントだ。
付属品には3.5mmステレオミニプラグケーブルや6.3mmステレオプラグアダプターを同梱
加えて、有線接続はバランス駆動にも対応。別途バランス駆動対応ケーブルを用意して、バランス駆動対応のDAP等と組み合わせれば、より広く緻密な空間表現などさらなる向上が狙える。なお、本機のリケーブル端子周りは半埋め込み型的な凹形状。バランス駆動ケーブルを購入の際は、プラグ周りがそこにうまくハマる形状のものを選ぶよう注意してほしい。
バランス駆動ケーブル購入の際は、プラグ周りの凹形状にはまるものを選定しよう
■ハイエンド機らしさ満載!細部まで突き詰めた装着感と操作性
ハイエンド機にはその実力に比した外観、それがヘッドホンであるなら装着性、ワイヤレスでもあるなら操作性も求められるが、ピッドホンはそれらも完璧だ。
ハイエンド機としての実力に比した、高級感ある上質な外観デザイン
ブラックの部分は、マット感と艶感のどちらもを感じられる絶妙な仕上げ。ゴールドの部分も派手に輝き過ぎるゴールドではなく、落ち着いた高級感を演出する「アンティーク・ゴールド」を起用する。ヘッドバンドの縫糸もホワイトではなく、ややゴールドに寄せた色合いにされているのが心憎い。
落ち着きある高級感を感じさせるアンティークゴールド色は、新ロゴ「PNK」にも
ヘッドバンドの縫糸もややゴールドに寄せた色合いにするなど、細部まで抜かりない
イヤーパッド・ヘッドバンドは、十分な厚み、大きさ、クッションを備えており、部分ごとに質感を変えたエコレザーの心地よい肌触りとの合わせ技で、着け心地も快適。支点や重量バランスが十分に検討されているのか、装着時の安定感も秀逸で、やや重めの本体重量もさほど気にならない。
イヤーパッドは十分な厚みやクッション性を備え、着け心地もバッチリ
装着時の安定感が高く、本体の重量感もさほど気にならない
そして心地よさといえば、ワイヤレス使用時の音声アナウンス。落ち着いた声とゆったりめのテンポで、動作状況を知らせてくれるそれは、声優・緒方恵美さんのボイスによるもの。急かされる感じなど一切ない、心地よいアナウンスだ。
操作ボタンは、マルチ・ファンクション/音量上/音量下の3つ。操作性はいたってシンプルだ。ボタンの材質がラバー系なのもポイント。手探りでの操作時、そのラバーの摩擦感が指先をいい感じにガイドしてくれる。
ボタンの材質がラバー系なのもポイント
このようにハイエンドな実力と風格を備えつつも、有線オンリーなハイエンド機とは異なり、通話マイク搭載やマルチポイント接続にも対応。音楽リスニングだけではない様々な場面でも活躍できる
声や楽器が際立つ圧巻の描写力! 無線/有線どちらも“満足な音”に
では、気になるサウンドの印象を紹介しよう。まずはLDAC対応スマホと組み合わせて、Bluetooth接続からチェックした。
特徴的に感じられたのは、まず声や楽器の質感を際立たせる傾向での描写力。そして、音楽のスピード感を引き出してくれる瞬発力だ。また、セミオープン型の強みを感じられる空間表現や、ローエンドからその下のサブベース帯域まで幅広い低域の充実も挙げられる。
セミオープン型の強みを感じられる空間表現力の高さ
音の質感については、宇多田ヒカルの『BADモード』で特にわかりやすかった。宇多田さんの声は、ただ滑らかに描き出してもそれはそれで魅力的。しかし、何の引っかかりもない滑らかさではやはり物足りなくもある。
ピッドホンで聴くと、手触り感は強めながらも滑らかさも十分に感じられる絶妙な描写力で、質感や解像感を高めてくれる適切なポイントに、高域のアクセントが置かれている。そのうえ超高域の伸びも良好。おかげでシンバルは美しい薄刃に描き出されるし、ギターの鈴鳴りもよい響きだ。超高域まで損なわず伝送できるLDACから、それを再生できるアンプやドライバーなど、全てが揃っているからこそのサウンドと言える。
星街すいせいの『Stellar Stellar』では特に、スピード感と空間性の実力を体感できた。ボーカルの一節に続くさくらみこ的に表現すると、「たん だーん♪どん・どん・どん・どん たぁーん♪」となるイントロの一瞬でもう、パァーンと弾ける音の速さとそれが広がっていく空間表現に思わずニンマリした。音の出始めや立ち上がりのレスポンスが素早く、しかもその音がその場に滞留せずに、すっと抜けていってくれるからこそ生まれる感触だ。ここでもアンプの十分な駆動力を感じられる。
低域周りの充実度は、YOASOBI『祝福』のベースとドラムスが、もっちりとした弾力と適度に大柄な音像、ズシンとくる重みで描き出されたことで強く納得。その弾力と大柄さが、緩い膨らみを伴わないところが特によい。重量感たっぷりでありつつ、スピード感も損なうことなく、低重心で疾走するリズムの迫力は圧巻。バスドラム四つ打ちの安定感と、動き回るベースの躍動感のコントラストも映える。
描写力高く、スピード感あふれるサウンド。低域周りも充実していて迫力もしっかり感じられる
大満足のBluetooth接続と比較するかたちで、続いては有線接続の印象をお伝えしていこう。ヘッドホンの性能を引き出し切るパワフルなアンプを備えたDAP、Astell&Kernの「KANN MAX」と組み合わせてチェックした。
といっても、Bluetooth接続時から基本的な音調が大きく変化することはない。「有線・無線どちらで繋いでも、音質差をなるべく出さずに満足な音にしたい」という、中野氏のこだわりはしっかり実現されている。
その上で、あえて細かなところに触れるなら、有線接続の方がややナチュラル傾向な描写とは感じられた。例えば『BADモード』のシンバルのほぐれた感触、ドラムスのビンテージ録音的にモコッと心地よいアタック感は、有線接続時に際立つ印象だ。
だがそういったちょっとした感触の違いは、組み合わせるDAP側の個性が反映されてのことだろう。DAP等との組み合わせで、より自分好みの音を探していけるのも有線ヘッドホンの面白さ。ピッドホンはその楽しみも提供してくれるのだ。
有線時も基本的な音調は変わらない!
耳の肥えた音楽ファンも納得させる、“生半可ではないヘッドホン”
続いて、バランス駆動での音質をチェックする。本機にはバランスケーブルは付属しないため、試聴にはNOBUNAGA Labsの4.4mm 5極バランスケーブル「大千鳥」を接続。なお、大千鳥はソニーのヘッドホン「MDR-1A」用として展開するケーブルだが、ピッドホンのケーブル端子とピンアサイン(配線)がMDR-1Aと同一であるため今回試聴に使用した。
バランスケーブルにはNOBUNAGA Labsの「大千鳥」を使って試聴
すると、空間表現はBluetooth接続時に近い広さに戻り、シングルエンド駆動で好印象だったまとまりや、収まりの良さもさらに向上。ケーブルの個性もあってか高域の明瞭度も増し、音の感触は鋭さと素直さを兼ね備えてくれた。Bluetoothと有線シングルエンドの “いいところどり” とも感じられる音調だ。これは良い!
なお、有線時の音質はDAPやアンプに左右されることにあらためて留意してほしい。例えば、iPhoneでApple純正のLightning-3.5mmアダプタを使った際は、あらゆる要素がBluetooth接続時に劣る印象。iPhoneではLDACを使えずAAC伝送になるが、その上でもだ。Bluetooth接続時に使用される、ヘッドホン側DAC/アンプの優位によるものだろう。有線接続でBluetoothを上回るサウンドを得るにも、それなり以上のDAPやヘッドホンアンプが必要といえる。
しかしそこはポジティブに、「スマホとのBluetooth接続でも下手な有線接続よりぜんぜんいい音出してくれるから、最初はピッドホンだけ買えばOK!」と考えればよいと思う。そのうえで、「さらにもっといい音を!」と思うときが来たら、DAP等はそのタイミングにでも検討すればよいのだ。ピッドホンはそんな将来の楽しみまで提供してくれるだろう。
スマホとのBluetooth接続でも十分すぎる音質クオリティを発揮
さて、そんな魅力的なピッドホンだが、価格の面でいえば「ヘッドホンの世界への入り口としてお気軽にどうぞ」という製品ではない。
しかし今や、それこそピヤホンを筆頭にイヤホンの音質の底上げは目覚ましく、音楽ファンの耳も肥えている。生半可なヘッドホンでは「ふうん、ヘッドホンの音ってこの程度か」と、ガッカリされて終わりになりかねない。ヘッドホンの魅力を届けるには、生半可ではないヘッドホンが必要なのだ。
ヘッドホン初心者に魅力を届けるには、生半可ではないヘッドホンが必要
ピッドホンはまさに、そのポテンシャルを備えるモデルだ。これまでイヤホンばかりだったけれどヘッドホンにも興味が出てきた、そんな音楽ファンの方は、初ヘッドホンとしてぜひ手にとってみてほしい。
(協力 : プレシードジャパン
ピッドホンは“生半可じゃない”! AVIOT「WA-Z1PNK」の鳴らす、圧巻の描写力に大満足 (4/4) - PHILE WEB