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六本木駅のエレベーター長期停止に頭抱える交通局、海外製の落とし穴
小山 航日経クロステック/日経アーキテクチュア
地上から1番線ホームまでの深さが42.3mもあり、国内で最も深い位置にある地下鉄駅として知られる都営地下鉄大江戸線六本木駅で、エレベーターの停止が長引いている。東京都交通局は2023年2月6日に同月末の運転再開見込みを発表したが、同日時点で故障の原因は判明していない。
事の発端は22年12月17日午後11時44分ごろ。地下1階と地下5階を結ぶ全長約22mの2号機が停止した。故障したとみられるのは、エレベーターの各種動作をコントロールする制御盤だ。都交通局は代わりの部品をすぐに調達できなかったため、近接する3号機から制御盤を移し替えて22年12月23日に2号機を復旧させた。代わりに3号機が停止したままだ。
地下鉄六本木駅地下5階のエレベーター前の様子。写真右が故障した2号機。地下1階と地下5階を結ぶもので、復旧済み。写真左が停止中の3号機で、テープと柵で閉鎖している。2023年2月1日撮影(写真:日経クロステック)
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エレベーター前に掲示されている構内図。「修理により停止中」と示してあるのが3号機で、その上が2号機(写真:日経クロステック)
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2号機の復旧を優先した理由について、都交通局建設工務部建築課機械設備担当の菅野至果統括課長代理は、「利用者の移動負担をできるだけ軽減するため、昇降距離が長い2号機を動かすことを優先した」と説明する。
2基のエレベーターは、どちらも昇降機の世界的メーカーであるフィンランドのKONE(コネ)の製品だ。
00年開通の都営大江戸線では、各駅に同社のエレベーターを採用。保守点検は開通から現在まで、コネ社を株主に持つ東芝エレベータ(川崎市)が請け負っている。
部品をすぐに調達できなかったのは、コネ社が15年に日本から撤退しており、国内に在庫がなかったからだ。東芝エレベータの広報担当者によると、国内に残るコネ社製のエレベーターは、六本木駅の2基を除くと計10基未満。いずれも同駅のものとは互換性のないタイプの製品だという。このため、停止している3号機を復旧させるには、故障した部位を特定し、フィンランドから部品を取り寄せる必要がある。
乗り場のパネルのうち赤枠で示した辺りに3号機の制御盤が内蔵されていた。国内メーカーでは、エレベーターシャフト内に設置しているものが多い(写真:日経クロステック)
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東芝エレベータは23年1月25日に故障の原因調査を開始。さまざまな電子部品で構成される制御盤のうち、かごの動作をコントロールする部品の不具合が判明した。同社はコネ社に必要な部品を発注済み。2月末の到着を予定している。
六本木駅のエレベーターは00年設置の古い製品であるため、コネ社の現行製品の部品をそのまま使用できず、部品の取り寄せに当たっても調整を要した。都交通局と東芝エレベータは、開通当時の図面などから3号機に合わせた制御盤の調整方法を検討し、コネ社に伝えたという
六本木駅のエレベーター長期停止に頭抱える交通局、海外製の落とし穴 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)