ウクライナに兵器供与、支援拡大へ…ドイツ製戦車「レオパルト」調整続く
【ロンドン=池田慶太、ワシントン=田島大志】
ロシアの侵略を受けるウクライナへの軍事支援を巡り、約50か国の国防相らが参加する国際会合が20日、ドイツ南西部のラムシュタイン米空軍基地で開かれた。
ウクライナの領土奪還に向け、欧米製兵器の供与で支援する動きが広がっている。
会合は侵略開始以降、8回目。
主宰したオースティン米国防長官は冒頭、
露軍が兵員増強を進めていると指摘し、
「支援速度を遅らせる時ではない。より深く掘り下げる時だ」と述べた。
軍事支援を主導する米国は会合に先立つ19日、
25億ドル(約3200億円)の追加軍事支援を発表した。
新たに装甲車ストライカー90両を供与し、
ブラッドレー歩兵戦闘車59台を追加供与する。
英国は欧米製戦車で初となる「チャレンジャー2」14両を供与するほか、
スウェーデンはアーチャー自走榴弾(りゅうだん)砲を提供すると発表した。
ウクライナ軍は今春に大規模な領土奪還作戦を計画しており、
これに必要な火力や機動力を各国が出し合った形だ。
一方、ウクライナが求める独製戦車「レオパルト」については、
関係国の調整が続いている。
保有国の
ポーランドや
フィンランドは供与の意向だが、
実現には製造国ドイツの再輸出許可が必要となる。
戦闘激化への関与を避けたいドイツは慎重姿勢を崩していない。
英国やバルト3国の国防相らは19日、
ドイツを念頭に、
追加の戦車供与を訴える声明を発表した。
ボリス・ピストリウス独国防相は会合後、
記者団に対し、
協議したが結論は出なかったと明かした上で
「ドイツだけが妨害しているとの印象は間違いだ」とも反論した