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道路トンネルで覆工コンクリの厚さ不足、30cm必要なのに4cmの箇所も
佐藤 斗夢
日経クロステック/日経コンストラクション
長野県上松町の県道上松南木曽線ねざめトンネルで、覆工コンクリートの厚さが大幅に不足していることが分かった。設計上の厚さ30cmに対して、最も薄い箇所では4cmしかなかった。問題の箇所を含む工区は西松建設・不動建設(現・不動テトラ)・神稲建設(長野県飯田市)JVがNATM工法で施工し、2002年に完成した。応急対策は終えており、今後、当時の施工者が自らの負担で補修工事を実施する。長野県が22年12月12日に明らかにした。
応急対策後のトンネル内の様子。色が変わっている部分が応急対策を施した部分だ(写真:長野県)
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南北に伸びる延長約1.7kmのねざめトンネルのうち、334mの区間で東側の覆工コンクリートの厚さが不足していた。
ねざめトンネルの位置図。主に東側の覆工コンクリートの厚さが不足していた(出所:長野県)
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当時の施工者側の関係者が退職するなどして詳細は不明だが、掘削の精度が低かったことが原因とみられる。西松建設の広報担当者によると、当時の現場担当者はトンネルがずれて掘削されていることに気づいていた節がある。ずれを補正しないまま設計通りの位置に移動式型枠(セントル)を配置し、覆工コンクリートを打設した結果、厚さが不足したようだ。
西松建設JVは南側の延長619mの工区を約16億円で受注し、01年3月~02年10月の工期で施工した。西松建設の広報担当者は、「厚さ不足は施工者側に原因があると考えたので、補修工事の費用負担を申し出た」と説明する
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