重たい毛布が睡眠改善に? 最新研究「より多くのメラトニンが放出される可能性あり」

クーリエ・ジャポン

Photo: Catherine McQueen / Getty Image

 

 

 

 

 

巷で話題の加重ブランケット 最新調査で「メラトニン上昇」の結果 「加重ブランケット」こと、通常のブランケットより重めに作られたブランケットを使用すると、睡眠促進ホルモンであるメラトニンがより多く放出される可能性があることが研究によって明らかになった。 近年、加重ブランケットは「睡眠を助け、不安を軽減するアイテム」として人気が高まっている。 しかし、「多くの小児科医や作業療法士に会って話を聞いてみたが、彼らは加重ブランケットが、人々の睡眠の質を改善していることについては話してくれたが、それがプラセボとして機能しているのか、それとも何らかの科学的メカニズムがあるのかについては不明だった」 スウェーデンのウプサラ大学の薬理学の准教授で、今回の研究を行ったクリスチャン・ベネディクトは、そのように語り、それが研究に取り組んだ理由のひとつだと、米紙「ワシントン・ポスト」に述べている。 この研究では、睡眠障害やその他の病状のない26人の若い男女の被験者が、ある夜は加重ブランケットを使用し、また、別の夜は軽量のブランケットを使用して眠り、その睡眠の違いを唾液サンプルから調査したものだ。 加重ブランケットと軽量ブランケットは、被験者の体重の12.2%と2.4%に相当していたという。 この調査結果では、「被験者が加重ブランケットで寝た夜のメラトニンの上昇は平均して32%大きかった」。ちなみに、被験者は全員、それまで加重ブランケットを使用したことがなかったそうだ。 この調査結果について、同氏は「皮膚への穏やかな圧力を含む身体感覚は、メラトニン放出に影響を与える可能性のある脳の領域を活性化する」と語り、「加重ブランケットを使用したときに観察されたメラトニンの上昇は、同様のメカニズムで説明できる」と、述べている。 体の広い範囲に穏やかな圧力をかけると、心拍数、消化、呼吸数、およびその他の機能を調節する自律神経系が活性化されるのだそうだ。 具体的には、「深い圧力刺激は、交感神経や闘争・逃走反応の低下、そして、夜間やリラックスしている際に活発に機能する神経である副交感神経の活発化と関連している」と、同紙は書く。 加重ブランケットからの深い圧力刺激が、睡眠を改善する可能性があることを示唆する研究結果は、これまでにも複数あった。研究では精神障害を持つ人や慢性的な不眠症に悩んでいた人なども被験者に含まれており、多くが、加重ブランケットによって、睡眠時間が伸びたり、睡眠の質が向上したことが報告されている。 しかし、「なぜなのか」を示す調査結果は、80年代から注目されていた前述のような「深い圧力刺激」によるもの以外、ほとんどなかったようだ。ゆえに、今回の研究結果で示されたされた「メラトニンの増加」は、加重ブランケットの効果を示す新たな証拠として、大きな意味を持つという。 前述の研究者のベネディクトは、「メラトニンの増加によってもたらされた効果が、どのくらい持続するのかについての追加調査、また、より大規模な試験が必要だ」と、同紙に述べている。

COURRiER Japon

 

 

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