〈地球資源と同じで人材も使い捨て〉世界最大の環境保全団体WWFの日本支部で「職員大量退職」悲痛メール入手
スイスに拠点を置く世界最大の環境保全団体「世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature:略称WWF)」。その日本支部WWFジャパンで職員が相次ぎ退職していたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。
WWFジャパンは世界で16番目のWWFとして設立され、2021年に50周年を迎えた。「生物保護・脱炭素・海洋プラスチックごみ問題など国内外を問わず、様々な自然環境の課題に取り組む公益財団法人」(環境団体関係者)だ。 ナマズの研究で知られる秋篠宮を名誉総裁に戴き、評議員には東大名誉教授の養老孟司氏、顧問には十倉雅和経団連会長や日枝久フジテレビ会長など錚々たる顔ぶれが並ぶ。一方、事務局には今年6月末時点で79名の職員が在籍している。 収入の大半を占めるのが「サポーター」と呼ばれる個人や法人からの会費や寄付だ。 「WWFには全世界で約500万人のサポーターがいます。ジャパンに限ると、個人サポーターが約4万3000人、法人サポーターが約420社。21年度の経常収益は約14億6940万円でしたが、その8割以上を会費と寄付が占めています」(同前) そんなWWFジャパンで“異変”が起きている。元職員が明かす。 「2019年7月から2022年6月までの3年間で25名の職員が退職しています。7月以降もすでに3名が辞めました。職員数80名ほどの組織としては異常事態です」 小誌は退職する職員が全職員に向けて送ったメールを複数入手。そこには、退職するまでにWWFで受けた理不尽な仕打ちへの怒りと悲痛な思いが綴られていた。
〈地球資源と同じで人材も使い捨て〉
2020年12月末で退職した元正規職員Aさんはこう書いている。 〈仕事がない、と言われ続け、退職しならなきゃ(注:原文ママ)いけない理由は未だにわかりません〉〈仕事を与えない、という行為は明確にパワハラです〉 2022年6月末で退職した元有期契約職員Cさんはこう主張している。 〈地球資源と同じで人材も使い捨てを繰り返すとそのうち痛い目を見るので、皆さまどうかお気を付けくださいね〉 職員の大量退職について事務局に聞くと、2019年から2022年までに25名が退職したことを認めた上で、「(退職理由は)千差万別ですが、キャリア採用を主体にしている組織なので、弊会で諸活動に従事されたあとにご本人のキャリアを社外に求めるケースも多くあります。人材マネジメントの改善につきましては、今後も労働組合やスタッフとの対話を定期的に重ね、相互に理解を深めながら、継続的に取り組んでいく方針です」などと回答した。 歴史ある環境保全団体で一体何が起きているのか――。 11月22日(火)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および11月24日(木)発売の「週刊文春」では、短期間にWWFジャパンで退職者が続出した理由、退職した職員の悲痛メールの詳しい内容、東梅貞義事務局長が全職員に向けて送った“口止めメール”の中身などについて報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年12月1日
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