新型コロナ「中国起源説」に“新展開”…? いまアメリカで「ヤバすぎるコロナ研究」が“話題騒然”になっている…!
アメリカよ、お前もか
新型コロナウイルスが人為的に作成されたとする「中国起源説」は、いまも世界の疑惑の一つである。ところが、米英でも新型コロナ変異種が人為的に作られているとしたら、その責任は中国だけに帰するものと言えるのだろうか―ー。
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いま、アメリカでコロナウイルスについての疑惑の目が民主党バイデン政権に向けられている。 加藤厚生労働大臣は11月8日、新型コロナの感染状況について「現在の拡大が今後も継続し、いわゆる第8波につながる可能性も念頭に置きながら医療提供体制の整備などに取り組む」と述べた。全国の新規感染者数がこのところ増加に転じており、7日に開かれた全国知事会議で平井会長(鳥取県知事)は「第8波にある」との認識を示していた。 オミクロン型の新たな派生型が次々と発生していることが主な要因だ。 欧米諸国では直近の主流だった「BA.5」に変異が加わった「BQ.1」や「BQ.1・1」による感染が急速に拡大している。一方、シンガポールやインドでは2種類の派生型の遺伝子が混じった組み替えウイルス「XBB」が広がっている。 BQ.1やBQ.1・1、XBBは東京都など国内で既に見つかっている。水際対策の緩和によって海外から新たな変異型が国内に入りやすくなっており、第8波はBA.5から新たな派生型への置き換わりで進むとの見方が有力だ。 これらの派生型に共通するのは、新たに獲得した変異によって免疫をすり抜ける「免疫逃避」の性質が一段と強いということだ。
重症化のリスクは大きくないとされているが、冬場に向けて季節性インフルエンザの同時流行も懸念されており、有事に弱い日本の医療体制の脆弱性が再び露呈する可能性が生じている。
新型コロナの発生から3年近くが経過したが、世界保健機関(WHO)は「新型コロナウイルス感染症は依然として世界的な緊急事態である」との認識を維持している。
コロナ「中国起源説」は本当か?
科学技術の急速な進歩のおかげで有効なワクチンや治療薬などが極めて短期間に開発されたものの、新型コロナの発生源はいまだに特定できていない。
新型コロナに類似するSARSの発生源(ハクビシン)やMERSの発生源(ヒトコブラクダ)が短期間に特定できたのにもかかわらずに、である。
発生源については
1「武漢の市場で売られていた野生動物(自然宿主)から人に感染した説」と、
2「武漢ウイルス研究所から流出した説」が有力だが、
WHOは懸命な調査にもかかわらず自然宿主が見つかっていないことから、
「武漢ウイルス研究所から流出した可能性が高い」との見解を示している。
「新型コロナが自然宿主から発生した確率は100万分の1未満だ」
とする解析結果も出ている(10月25日付ZeroHedge)。
だが、新型コロナをめぐってはさらに新たな展開が進んでいる
アメリカから「武漢研」に研究資金
米ネットメデイアの情報公開請求により、
米国立衛生研究所(NIH)が多額の資金を出して、
武漢ウイルス研究所で
SARSウイルスの
「機能獲得実験(感染力などを高める実験)」を実施させていた
ことが明らかになったからだ。
新型コロナの発生に米国政府が関与している可能性が浮上したため、共和党は議会で真相の究明を再三求めているが、バイデン政権はこれに協力する姿勢を見せていない。
世界的に権威が高い英医学誌「ランセット」傘下の新型コロナの発生源究明に関する委員会(ランセット委員会)も今年9月、
「NIHは自らが支援する新型コロナに関連する研究内容の開示に消極的なため、
新型コロナウイルスの発生に関与した米国の研究所が存在したかどうか確認できない状況が続いている。
新型コロナの発生に米国の研究所が関与した可能性は排除できない」
との見解を示していた。
その矢先の10月14日、ボストン大学の研究チームは
「パンデミック初期に流行した武漢型に、
オミクロン型のスパイクタンパク質(突起部分)を融合させた新たな変異型を作成した」とする論文を査読前論文のデータベース(bioRxiv)に公開した。
研究チームによれば、新たな変異型の感染力はオミクロン型の5倍だ。
オミクロン型では1匹も死ななかったマウスの集団に感染させたところ、
その80%が死亡したという。
感染力や致死率が高いとされる
新型コロナの変異型が実験室で開発されたことについて、
多くの研究者は
「この研究は危険であり禁止すべきだ」と非難している
(10月17日付英デイリー・メール)。
これに対し、ボストン大学は
「感染させたマウスの集団は武漢型では100%死亡しており、
新たな変異型の致死率はそれほど高くない。
実験もバイオセーフテイーレベルが高い施設で行われた。
記事の内容は虚偽だ」と反論している。
残念ながら、このような実験を行っているのはボストン大学だけではない。
米英で行われたコロナ研究
コロナとの戦いは終わらない Photo/gettyimage
11月1日付英デイリー・メールは「英インペリアル・カレッジ・ロンドンで武漢型にオミクロン型やデルタ型のスパイクタンパク質を融合させる実験を行われた」と報じた。武漢型を生み出した中国でも同種の実験が行われている可能性は排除できない。 ウイルスの機能獲得実験は世界各地の研究所で実施されているが、その実態はブラックボックスのままだ。研究室から危険な新型コロナの変異型が流出し、再びパンデミックが起きるリスクが高まっているのではないかとの不安が頭をよぎる。 バイデン米大統領は10月18日、新型コロナのパンデミックの経験を踏まえ、米国の生物兵器防衛を強化する覚書に署名した。 覚書の趣旨は、生物兵器防衛に関する政府機関間の調整がより一層進めるとともに、昨年8月に新型コロナの発生源について明確な結論を出すことができなかった米情報機関に対して、脅威を監視し、進化する脅威への適応能力を高めることだ。 米政府高官は「国家生物兵器防衛戦略により、自然発生、もしくは意図的であっても、伝染病の蔓延を事前に防ぐことができる」と胸を張っている。 しかし、米国政府を始め国際社会がウイルスの機能獲得実験の規制に積極的に乗り出さない限り、次のパンデミックを未然に防ぐことはできないのではないだろうか。
さらに連載記事『習近平が、ついに「禁じ手」…!
中国の「人工雨」と「地球環境破壊」の“ヤバすぎる真実”』では、
いま中国が手掛けている“ヤバすぎる実験”についてレポートしよう。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー
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