中国援助のインドネシア高速鉄道、課題続出 日本に競り勝ち受注

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朝日新聞デジタル

インドネシアのバンドン郊外に飾られた高速鉄道「レッドコモド」の客室車両の模型=2022年10月13日、リツキ・アクバル・ハサン撮影

 

 

 

 

 15日からはじまるG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)の開催地インドネシアで中国の支援を受けた高速鉄道事業が進んでいる。16日にはインドネシア入りした習近平国家主席によるオンライン視察が予定されている。

 

 

  【写真】高速鉄道の終点テガルルア駅。10月には肝いり施策を視察するときのベストを着てジョコ大統領が訪れた  

 

 

 

シルバーの車体に赤色のラインが入った車両の愛称は「レッドコモド」。

開業予定は2023年6月だ。ただ当初の計画から経費が膨らんだうえ、街の中心部から駅へのアクセスの悪さなどが課題となっている。  

 

建設中の鉄道は、首都ジャカルタと近隣都市のバンドンを結ぶ。最速時速350キロで走行する高速鉄道が完成すれば、

 

在来線で3~5時間かかる移動が約50分に短縮される。

 

  当初、建設は日本と中国が受注を競っていた。  

 

 

日本は円借款による新幹線輸出を狙っていたが、この事業を「一帯一路」の目玉と位置付けた中国が猛追。

最終的にインドネシアに公費負担を求めないとする融資条件が決め手となり、2015年9月に中国が競り勝った。  

 

 

インドネシア初の高速鉄道として注目が集まるが、建設はインドネシア政府の思うように進んでいない。  鉄道を運営する「インドネシア中国高速鉄道(KCIC)」などによると、

 

当初、中国が提案した事業費は約55億ドル(約8千億円)だったが、

 

用地取得の難航やコロナ禍の経済の停滞などで経費は膨らみ、

 

9月の時点で約72億ドル(約1兆500億円)に達した。

 

 

 

  駅へのアクセスも課題だ。

例えば、終点のテガルルアル駅。

現地メディアによると、バンドン中心部から車で45分近くかかる郊外にあるが、

駅への公共交通機関はまだ検討中だという。

 

 

  KCICによると、

習氏とインドネシアのジョコ大統領は16日、G20サミット開催地のバリ島から一緒にテスト走行をオンライン視察するイベントを開くという。(バンドン=半田尚子)

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