ロシア軍撤退のヘルソン、地雷撤去や電力復旧急ぐ 東部戦線では依然激しい戦闘
ウクライナ南部ヘルソン市からのロシア軍撤退を受け、市民らは13日、通りに出て喜び、ウクライナ兵と抱き合った。しかし当局者によると、ロシア軍は最も重要なインフラに地雷を残したほか、ウクライナのゼレンスキー大統領はドネツク州での「地獄」のような状況について警告した。 ウクライナ南部ヘルソン市で、ウクライナ軍を出迎える歓喜の市民。花や踊りでロシア軍の撤退を喜んだ。「感情がこみあげてきて、言葉が出てこない。神様が私たちを祝福してくれるよう祈る」とある住民は話した。 ロシアはウクライナ侵攻で占領した唯一の州都だったヘルソンを放棄。これまでで最大の打撃となっている。 ヘルソン州当局者は13日、ロシア軍が重要インフラに地雷を仕掛けたと明らかにした。大半の住宅ではまだ電気と水が使えず、電力会社が復旧に努めている。市の郊外では、軍用装備品が放棄されており、数カ月にわたる占領があったことを物語っている。今回の撤退は、ロシア軍にとって3度目の大規模な撤退となった。ウクライナ軍は反攻により、東部と南部の一部を奪還した。 ヘルソン市郊外の住民は次のように語った。「私たちはここで一言も話すことができなかった。4台の車がやってきて、彼らは私たちに『あなたたちがウクライナ支持の立場をとっているからだ』と言った。私は『私たちはウクライナ人だから撃ち殺せばいい』と答えた。私たちは一言も話せなかった。『ウクライナに栄光あれ!』と言えなかった」 警察は、検問所を設置し、地雷の撤去を行っているという。 ヘルソン州のヤヌシェビッチ知事は、安全対策として、午後5時からの夜間外出禁止令を出すとし、誰もヘルソン市に出たり入ったりできないと述べた。 国際空港の周辺では多くの砲撃があった。 ヘルソン市の住民が通りで喜びを分かち合う中、ウクライナ軍参謀本部によると、ドネツク州とルガンスク州の東部戦線では激しい戦闘が続いた。ゼレンスキー大統領は、ロシアの度重なる攻撃にもかかわらず、ウクライナがヘルソンなどで成功を収めたのは、ドネツク地方での抵抗が大きかったと評価した。大統領は12日の定例ビデオ演説で「そこはまさに地獄だ」と述べた。「そこでは毎日、極めて激しい戦闘が繰り広げられている」 ただ今のところ、市民らは大きな喜びを感じている。オデーサ(オデッサ)では、ロシア軍の撤退を知ったあるカップルが、急きょ結婚式を挙げた。新婦はヘルソンからの避難者だった
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