人気は2025年以降も続く?! 過熱するグローバル教育競争
PART1 沸騰! インターナショナルスクール(5)
森岡 麗日経クロステック/日経アーキテクチュア
英国の名門校が上陸するなど、国内でインターナショナルスクールが空前の開校ラッシュを迎えている。なぜ今、人気が高まっているのか。背景には日本の教育が置かれている課題があると専門家は指摘する。
村田 学氏(むらた まなぶ) 国際教育評論家、インターナショナルスクールタイムズ編集長、eduJUMP!編集長
1973年米国生まれ。日本大学商学部中途退学。元インターナショナルスクール経営者で、国際バカロレアの教員研修を修了。海外から日本に参入したいインターナショナルスクールの支援などをしている(写真:日経アーキテクチュア)
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インターナショナルスクール(以下インター)とは、法令上の規定はないが、一般的に英語による授業を主に行い、外国人児童・生徒を対象とする教育施設を指すという。だが昨今、そのインターに日本人が入るケースも増え、都心部のみならず郊外や地方まで空前の開校ラッシュが起こっている〔図1〕。
〔図1〕各地で続々開校するインターナショナルスクール
近年、国内で開校した、あるいは開校予定の注目校をマッピングした。移転を含む。2022年10月時点。首都圏への開校だけでなく、地方での開校も目立つ(資料:村田学氏への取材などを基に日経アーキテクチュアが作成)
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このブームには国内の学校法人だけでなく、欧米の名門校も注目している。
例えば、「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」(岩手県八幡平市、2022年8月開校)
「Rugby School Japan(ラグビースクールジャパン)(仮称)」(千葉県柏市、23年8月下旬開校予定)などが上陸し、世間をにぎわせている。
開校ラッシュを支える要因
こうした開校ラッシュを支える主な要因として、インターのコンサルティングなどを手掛ける国際教育評論家の村田学氏は次の2点を挙げる。
1つは、
政府が高度外国人材の受け入れを促進する方針を掲げており、
本来のターゲットである外国人家族の増加が見込めること。
もう1つは、英語で探究的な学びができることだ。
「日本の学校教育が崩壊し、学校とは別に塾へ通って勉強する子どもが増えた。インターは学校教育の中で、英語で探求的な学びができることから人気が高まった」と村田氏は分析する。
その他にも日経アーキテクチュアが取材した中では、
高水準の教育環境を整えることで、
家族世帯の移住を誘引し、地域の価値を高めたいといった自治体や、
デベロッパーの思惑もインターの開設を後押ししていた
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