李強(李强、り きょう、リー・チャン、1959年7月23日 - )は、中国共産党中央政治局常務委員会委員。2023年3月に第8代国務院総理に就任予定。元上海市委員会(中国語版)の書記。習近平党総書記の側近であり習政権の実力者。
履歴[編集]
1959年7月に浙江省瑞安県で生まれ、1976年から同地で労働者となった。1983年時点において中国共青団浙江省瑞安県委の幹部であった。1984年は浙江省民政局に入って後、農村救済処副処長と処長を歴任した。1985年と1987年の間に中国社会学函授大学で社会学の専業を学んだ。1995年と1997年の間再度に浙江大学研究生課程進修クラスで管理工程専業を学習した。1996年は中共金華市委員会の常務委員で、最後1998年に浙江省政府弁公庁副主任および中共の党組織メンバーとなった。2002年に温州市の市委書記を再就任し、同時に中央党校在職院生クラスの世界経済専業を学んだ。
2003年−2005年に香港理工大学管理学院の工商管理専業で学習し、そしてこの間の中で浙江省委員会の秘書長(事務総長)の職を担当した。2011年から2016年までは浙江省委員会の副書記を務めた。2016年以降は江蘇省に転任し、省委書記及び省級全人代常務委員会の主任を務めた。中国共産党第十八回全国代表大会(略称:十八大)で候補委員となり、十八大七中全会において中央委員となり、そして中国共産党第十九回全国代表大会において中央政治局委員に選出された[1][2][3]。2017年10月29日、前任の上海市委書記である韓正の中共中央への転任後、中央の決定によって上海市委書記となった[4]。「ゼロコロナ」を掲げる上海で、李は視察中住民の激しい抗議に晒された[5]。
2022年10月の中国共産党第二十回全国代表大会において党内序列第2位となったため、2023年3月に開催される全国人民代表大会で国務院総理に選出されることが固まった
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上海ロックダウンは「ある戦争」への予行演習だった
李強が中国ナンバー2になった知られざる理由─サプライズ人事が示す不吉な予感
党大会で再任・新任された第20期中央政治局常務委員会。中央の習近平首席の右隣が李強 REUTERS/Tingshu Wang
ダッチャー・藤田水美
Text by Mizumi Dutcher Fujita
中国共産党の党大会で、出世コースから脱落したと見られていた李強がナンバー2に抜擢された。このサプライズ人事は何を意味するのか。党大会の取材経験もあるフジテレビ元北京特派員が、習近平体制の「ある戦争」へ向けた不穏な動きをワシントンから読み解く。
党大会は荘厳な政治ショー
髪の毛が真っ白になった胡錦涛前国家主席が、脇を抱えられて会場を後にする映像が世界中を駆け巡った党大会閉幕式。胡錦涛氏がかつて求めた中国共産党の「カタチ」、集団的指導体制が完全に崩れ去った瞬間だった。
翌日には習近平総書記(国家主席)の大きな顔写真が掲載された三期目続投を伝える記事が中国各紙の一面を飾り、「習・一強体制」の幕開けを告げた。
私はフジテレビの北京特派員として、2007年と2012年の党大会を取材したが、カメラが入る開幕式と閉幕式はいつも決まった時間に理路整然と執り行われていた。
人民大会堂の2階の記者席からテレビカメラは「長玉」という超望遠レンズをつけて撮影する。肉眼では壇上に鎮座する党の最高幹部は米粒大にしか見えない。それほど会場は巨大なのだ。
党総書記の「政治報告」の読み上げが始まると会場は静まり返り、経済や外交などの成果が報告される度に一拍あって、一糸乱れぬ地鳴りのような拍手が巻き上がる。初めて取材したときにはその様子に圧倒されてしまった。共産党最高指導部の威厳と畏敬を国民に伝える、まさに荘厳な政治ショーなのだ。
ファインダー越しの第11期全国人民代表大会・開幕式。2008年3月、人民大会堂にて Photo by Mizumi Dutcher Fujita
しかし今回は、その同じ舞台で繰り広げられた生々しい退場劇に目が釘付けになった。
胡錦涛氏の体調不良説や人事への不満説などさまざまな憶測が飛び交っている。国営メディアの新華社通信はツイッターで原因は体調不良だと書き込んだ。
しかし、新たに公開された映像には退場を促される前の様子が捉えられていた。胡氏が手元の赤いファイルに挟まれた書類を見ていると、左隣に座る栗戦書氏がそれを奪って見せないように自分のほうに引き寄せる様子がはっきり映っている。
映像を繰り返し見たが、胡氏は体調不良には見えない。係員によって脇を抱えられ、立ちあがった後も、実に45秒間にわたって押し問答をしており、退席を拒んでいるように見える。一度は職員の手を払いのけるような動きをした後、ファイルに手を伸ばし、何か訴えているのが確認できる。
今回の退場劇はやはり習近平総書記のイエスマンで固められた人事への最後の抵抗だったのではないだろうかと思う。
その、人事こそが今回最大のサプライズだった。上海市トップの李強氏の最高指導部「政治局常務委員」入りは想定外だった。
李強氏は新型コロナウイルスの封じ込めに失敗。上海を2ヵ月もロックダウンしたことで市民の怒りを買い、市内を視察していた際に住民から直接不満を訴えられる動画が拡散するなどの失態で、出世レースから脱落したとの観測が出ていたからだ
の人物が、習近平氏に次ぎ、党内序列ナンバー2の地位を獲得したことは、まさに驚きだった。
しかし、ワシントンではこのロックダウンの遂行こそが李強氏の評価を上げたと指摘する外交関係者がいる。ある戦争状態への予行演習だったというのだ。
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