食肉2.0、主役はメーカー
~肉は工場で製造する時代に~
久保田 龍之介
日経クロステック/日経エレクトロニクス
畜産業から製造業へ─。今、食肉製造のあり方が大きく変わろうとしている。動物を育て食肉を得るのではなく、細胞を培養し、それらを集めて加工し、食肉とする「食肉2.0」とも呼ぶべき新しいモデルだ。食の安全や安定調達、環境問題、動物愛護の観点から将来、大きな産業になると目され、各国政府が育成に力を入れる。ビジネスチャンスをつかもうと、大手食品メーカーや製造装置メーカーも動き出した。
出典:日経エレクトロニクス、2022年11月号 pp.32-33
目次
製造業の新たな市場になるか、「培養肉」10の疑問
第1部:Q&A
「新たな食の選択肢」として、培養肉が注目されている。事業参入するのは大手食品メーカーだけではない。日揮や凸版印刷、島津製作所といった製造業の企業が事業開発や協業に乗り出している。
培養肉は「怪しい肉」か「夢の食材」か、25年に日本の食卓開拓へ
第2部:総論
かつてSF作品で描写されていた培養肉が、日本での普及まで数年後という段階に迫る。社会実装の最初のターニングポイントが2025年だ。培養肉ベンチャーの市販や「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」での試食などが計画中である。
「培養肉プラント市場を握る」、日揮子会社が狙う製造業の好機
第3部:動向
培養肉の大量生産に向けて、既に日本の製造業各社の参入・協業が進んでいる。その最前線にいるのが、日揮子会社のオルガノイドファームだ。培養肉ビジネスに好機を見いだして設立された専門企業である。
培養肉は「工業製品」、製造業のノウハウで先行者利益狙え
第4部:インタビュー
東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授の竹内昌治氏は2022年3月末、培養肉を日本国内の研究機関で初めて試食した。同氏は、生体の動作機構をロボットと組み合わせるバイオ・ハイブリッド・ロボットなどを手がける工学研究者である。
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