初代モデルから3年かけて開発
THIEAUDIO、平面駆動型ヘッドホン「Wraith」。97×76mmの大型ドライバーを新開発
2022/10/05編集部:成藤 正宣
ナイコムは、同社取り扱いブランドTHIEAUDIOから、97×76mmの大型平面駆動ドライバーを搭載した開放型ヘッドホン「Wraith(レイス)」を10月12日より発売する。価格は72,990円(税込)。
「Wraith」
同ブランドが初めて開発した平面駆動型ヘッドホン「Phantom」から3年をかけ、より快適で耐久性があり、かつ洗練された、まったく新しい構造のヘッドホンを目指して新開発したというモデル。「秋のヘッドフォン祭2022」において参考展示されていた製品の詳細が明らかになった。
新たに開発した97×76mmという大型サイズの平面駆動ドライバーには、ドイツ製の導体膜、従来ドライバーの1.5倍の磁力を発揮する薄型磁気プレート、新しいエアフロー設計などを採用。その結果、すべての周波数帯域においてよりパワフルで、優れた効率を実現しているという。
また、Phantomにおいて高い評価を得たトーンバランスの良さを踏襲。何百ものヘッドホンの周波数特性を研究し、プロのオーディオエンジニアのニーズにも合う、あらゆる周波数帯域で音響的に正確なサウンドシグネチャーを作り出したとのこと。
97×76mmという大型の平面駆動ドライバーを新開発。プロのニーズにも応えるサウンドを実現したという
加えて、平面駆動ヘッドホンでは難しいという、人間の聴覚特性に合わせた音響補正も実施。これにより、ボーカルや楽器の明瞭度を決定する1 - 3kHzの中高音域を、非常に忠実かつ自然に再現可能だとしている。
ヘッドバンドには、環境に配慮したマイクロファイバーパッドとステンレススチール製のフレームを採用し、CNC加工にて精密に切り出したパーツをハンドメイドで組み立てている。また、新たに開発したダブルバンド構造が頭部への荷重を均等に分散させ、長時間のリスニングでも快適に装着できるという。
イヤーパッドにもマイクロファイバーを採用。優れた通気性などにより装着感を高めるほか、着脱/交換にも対応する。左右両出し式のケーブルも2.5mmプラグにより着脱が可能で、長さ1.25m/4.4mmバランスプラグを備えたOFCケーブルが付属する。
ヘッドバンドには堅牢なステンレススチール製フレームやマイクロファイバー製パッド、装着感を高めるダブルバンド構造などを採用する
周波数特性は20Hz - 40kHz、インピーダンスは23Ω、感度は101dB。本体質量は約460g
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新開発「Ultra-Thin Uniforce Voice Coil」搭載
Audeze、グラミー賞受賞エンジニア全面監修の平面磁界型ヘッドホン「MM-500」
2022/09/29編集部:小野佳希
完実電気は、同社が取り扱うAudezeブランドより、グラミー賞を11回受賞したエンジニア、Manny Marroquin(マニー・マロキン)氏 全面監修のもと開発されたという平面磁界型ヘッドホン「MM-500」を10月7日に発売する。オープン価格だが税込33万円前後での実売が予想される。
MM-500
開放型ハウジングと平面磁界型ドライバーを採用したヘッドホン。
9月18日に開催された「秋のヘッドフォン祭2022」で参考展示されていたモデル
が正式発表された格好だ。上記のとおりマニー・マロキン氏 全面監修のもと開発され、ケンドリック・ラマーのアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』のミックス作業時にも使用されたという。
「秋のヘッドフォン祭2022」で展示されていた実機の写真
独自技術の「Uniform Voice Coil」をさらに進化させた、「Ultra-Thin Uniforce Voice Coil」を新たに搭載。様々な幅のサーキットトレースを並行に組み合わせることにより、振動板の均一な動きを実現し、さらに強力なドライブ能力を達成したという。
同技術では、サーキットトレース上の電流密度を最適化することにより、ドライブ能力がアップしているだけでなく、抵抗値の不要な上昇を防ぎ、低歪を実現したとのこと。さらに、振動板の動きを最適化することにより、解像度に優れたサウンドステージを実現するともアピールしている。
振動板のサイズは90mmで、
Fazorテクノロジーを搭載したウェーブガイドやFluxorマグネット構造を採用。
周波数特性は5Hz - 50kHzで、
THDは0.1%以下(@100dB SPL)、
感度が100dB / 1mW、
インピーダンスが18Ω。
最大出力は130dB以上で、
最大入力は5W RMS、
最小入力が100mW以上、
推奨入力レベルが250mW以上。
本体質量495gという軽量さも特徴のひとつ。
また、イヤーパッドは本革製で着け心地にも配慮し、ヘッドバンドにはアルミ削り出しの素材を使用している。
製造は既存モデルの「LCD-5」や「LCD-X/XC」と同様、北米カリフォルニア州オレンジカウンティ―の本社工場にて手作りで組み上げられている。
なお、マニー・マロキン氏は本機について「自分のスタジオのメインモニタースピーカーと同じ、信頼性を感じている」と評価。
「時間、場所問わずスタジオクオリティーが入手できる」「他の機材同様スタジオには欠かせない重要な機材だ」とのコメントを寄せている
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