安倍晋三秘録(1)暗殺前夜の電話〈統一教会について私が問うと、安倍は言葉少なに……〉/岩田明子――文藝春秋特選記事【全文公開】

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「文藝春秋」10月号の特選記事を公開します。文/岩田明子(政治外交ジャーナリスト)

 

◆ ◆ ◆  その日、永田町からほど近いNHK千代田放送会館で原稿を書いていると、携帯電話が鳴った。液晶には「安倍晋三」の四文字。午後十時二十七分のことだ。  NHKの政治部記者だった私が、安倍の担当になったのは二〇〇二年、小泉政権の官房副長官時代からである。以来二十年にわたり取材を続けているが、ここ数年、特にコロナ禍では、電話でのやりとりが日課と化していた。多いときは一日に複数回、取材のために電話をかけるときもあれば、安倍が情報収集や雑談するためにかけてくることもある。時間帯は決まって午後十時三十分から深夜零時の間だった。  この日、最初の話題は、辞任を表明したばかりの英国のボリス・ジョンソン首相についてだった。安倍は二〇一九年にジョンソン首相との首脳会談に臨み、G7などの場でも顔を合わせている。電話口の向こうで感慨深げにこう語った。 「ジョンソン首相の辞意は、今後のアジア太平洋地域への影響を考えれば残念だね。内政が相当きつそうだったから、仕方ないのかもしれない。北朝鮮による拉致問題への対応を真っ先に支持してくれたし、日本にとって貴重な友人だった」  一方の私は、あることで安倍に聞きたいことがあり、こう切り出した。 「井上さんが旧統一教会で『祝福』を受けたとの情報が入りました。事実ですか。どういう経緯だったのでしょうか……」

 

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