コンクリートがらを蒸して100%再利用、強度も2.5倍以上に

奥山 晃平

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

東京大学生産技術研究所は、砕いて粉末にしたコンクリートのがれきを圧縮して高温・高圧で蒸すことにより、従来の圧縮強度を超えるコンクリートとして100%リサイクルする技術を開発した。リサイクル時にセメントなど新たな材料を投入する必要がなく、副産物も発生しない。

左から順に、コンクリートのがれき、がれきを砕いた粉末、粉末を圧縮成形したリサイクルコンクリート(写真:酒井 雄也)

左から順に、コンクリートのがれき、がれきを砕いた粉末、粉末を圧縮成形したリサイクルコンクリート(写真:酒井 雄也)

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 開発した技術ではまず、コンクリートを粉砕して圧縮成形する。その後、水と共に密閉容器に入れて180度で加熱する。砂と砂利の代わりに鉄鋼スラグを使ったコンクリートでも、同様の手法で再利用できる。

 一般的なコンクリートの圧縮強度は1mm2当たり20Nほど。開発した技術でリサイクルしたコンクリートの圧縮強度を計測したところ、同52Nで2.5倍以上の強度だった。「高温・高圧の水蒸気により、コンクリートの空隙が埋まったり、セメントの反応が促進したりしたのだろう」と、東京大学生産技術研究所の酒井雄也准教授は推測する。

 東京大学生産技術研究所はこれまでにも、コンクリートがれきを粉砕して圧縮し、リサイクルする技術を開発していた。しかし、圧縮強度は1mm2当たり8N程度で実用に必要な強度が得られていなかった

 

 

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