トヨタが25年にお台場メガウェブ跡地でアリーナ開業、アルバルク東京の本拠地に

川又 英紀

 

日経クロステック

 

 

 

トヨタ自動車とトヨタ不動産(名古屋市)、トヨタアルバルク東京(東京・文京)の3社は2022年8月29日、東京・お台場にあったトヨタのショールーム施設「MEGA WEB(メガウェブ)」の跡地に、次世代アリーナ「TOKYO A-ARENA(仮称)」を建設すると発表した。25年秋の開業を目指す。

次世代アリーナ「TOKYO A-ARENA(仮称)」の完成イメージ。円形の平面をしている(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

次世代アリーナ「TOKYO A-ARENA(仮称)」の完成イメージ。円形の平面をしている(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

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 アリーナの重点テーマには、「次世代スポーツエクスペリエンス」「未来型モビリティーサービス」「持続型ライフスタイルデザイン」の3つを掲げた。パートナー企業と共に、スポーツやモビリティー、サステナビリティーの可能性を追求する「TOKYO A-ARENA PROJECT」を推進する。

施設内では次世代モビリティーの運行を目指す(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

施設内では次世代モビリティーの運行を目指す(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

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 計画地は、1999年に誕生した臨海副都心の複合施設「パレットタウン」の一画を成していたメガウェブがあった場所だ。メガウェブは再開発に向けて、21年12月31日に閉館している。

 新しいアリーナの敷地面積は約2万7000m2で、収容人数は約1万人。トヨタ自動車が土地を所有し、建物はトヨタ不動産が所有する。施設の運営はトヨタアルバルク東京が手掛ける。

 アリーナは、国内男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」1部に所属するクラブ「アルバルク東京」の本拠地として利用する。他にも、バレーボールや卓球などの室内競技やパラスポーツ、eスポーツなどの利用を想定している。

B.LEAGUE1部所属のクラブ「アルバルク東京」がホームアリーナとして利用(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

B.LEAGUE1部所属のクラブ「アルバルク東京」がホームアリーナとして利用(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

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新しいスポーツ観戦体験を提供(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

新しいスポーツ観戦体験を提供(資料:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

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 施設ではトヨタのモビリティー技術を用いた新しいアリーナ体験の提供を目指す。例えば、敷地内のアリーナまでのアクセスに、次世代モビリティーサービスを利用できるようにするといった具合だ。メガウェブの時代から臨海副都心は、幾つもの次世代モビリティーの実験場になってきた歴史がある。

 敷地内には2つの屋外空間を設け、地域のにぎわい創出に貢献。同時に、アリーナ内のごみ削減やリサイクル、リユースにも力を入れる。

 トヨタ自動車の豊田章男社長は、「このアリーナはアルバルク東京の新しいホームになるが、同時にさまざまな競技の聖地にもなってほしい。パラスポーツや競技人口が少なく知名度の低い競技の力にもなれたらいい」とコメントしている。

トヨタ自動車の豊田章男社長(中央)(写真:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

トヨタ自動車の豊田章男社長(中央)(写真:トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京)

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 3社はTOKYO A-ARENAの開業に向けて、パートナー企業を募集する。アリーナの重点テーマを実現する技術やサービスの提供、共同開発に関心がある会社および組織に賛同を呼び掛けている

 

 

トヨタや森ビルはパレットタウン跡地に継続投資

 パレットタウンは、22年3月に営業を終えた森ビルの大型商業施設「VenusFort(ヴィーナスフォート)」に続き、同年8月31日に閉館した巨大アート施設「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」と、お台場のシンボルだった「パレットタウン大観覧車」の営業終了をもって、歴史に幕を閉じた。

22年8月末でパレットタウンの全ての営業が終了した。メガウェブは21年12月末に閉館している(資料:臨海副都心パレットタウン運営協議会、森ビル、アムラックストヨタ、サノヤス・ライド、Zepp ホールネットワーク、森ビル・チームラボ有限責任事業組合)

22年8月末でパレットタウンの全ての営業が終了した。メガウェブは21年12月末に閉館している(資料:臨海副都心パレットタウン運営協議会、森ビル、アムラックストヨタ、サノヤス・ライド、Zepp ホールネットワーク、森ビル・チームラボ有限責任事業組合)

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 森ビルは23年に開業予定である都内の再開発事業「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の一画に、新たなアート施設「森ビル デジタルアート ミュージアム:チームラボボーダレス」を建設することを22年8月に発表したばかりだ。

新しいアート施設「森ビル デジタルアート ミュージアム:チームラボボーダレス」は、「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の一画にできる(資料:森ビル)

新しいアート施設「森ビル デジタルアート ミュージアム:チームラボボーダレス」は、「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の一画にできる(資料:森ビル)

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 ただし、パレットタウンが位置しているお台場の臨海副都心エリアが見捨てられるわけではない。この地は今後も成長が見込まれる場所として、トヨタ自動車や森ビルは引き続き、にぎわい創出の施設を開発していく方針を掲げている。その第1弾が、今回のTOKYO A-ARENAとなる

 

 

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