プーチン氏、トルコと貿易拡大で合意 「友好国」取り込み図る

毎日新聞

握手を交わすロシアのプーチン大統領(右)とトルコのエルドアン大統領=ロシア南部ソチで2022年8月5日、スプートニク通信提供・ロイター

 

 

 

 ロシアのプーチン大統領は5日、南部ソチでトルコのエルドアン大統領と会談し、ウクライナからの穀物輸出問題で仲介役を務めたトルコに感謝を表明した。トルコとの貿易拡大などでも合意。ウクライナ侵攻を受けた西側諸国の経済制裁に加わらない「友好国」の一つであるトルコの取り込みを図った形だ。 

 

 

 

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プーチン氏とエルドアン氏の会談は7月19日にイランで会ったのに続き2カ月連続。約4時間に及んだ会談の冒頭でプーチン氏はエルドアン氏の「直接の参加」によってウクライナの港からの穀物輸出問題が解決されたことに感謝し、トルコへのパイプラインを通した天然ガスの供給が「障害なく」続いていることも強調した。  露大統領府によると、会談後の共同声明では経済やエネルギーなどの分野での関係強化がうたわれ、プーチン政権が西側諸国の制裁の影響で滞っていると訴えるロシアからの食料輸出の促進についても必要性が指摘された。ロイター通信によると、エルドアン氏は会談後に「両国関係の新たな一ページを開いた」と満足感を表明したという。  トルコはロシアが対立する北大西洋条約機構(NATO)の加盟国で、ウクライナに無人機を供給するほか、シリア内戦などを巡っても対立を抱える。一方でロシア、ウクライナ両国と友好関係も維持しており、穀物輸出問題では国連と共に仲介役を務め、今後停戦協議が再開された際も重要な役割を担うとみられる。  米紙ワシントン・ポストは5日、ロシアがトルコを経由して石油などの制裁対象品を欧州に供給することを提案しているというウクライナの情報機関が傍受したとされる内容を報道。制裁の抜け道としてトルコを利用しようとするロシア側の意図も指摘されている。【モスクワ前谷宏

 

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