姫路の新しい文化施設「アクリエひめじ」、巨大なレンガ壁のモチーフは何?
三上 美絵
ライター
Q.姫路の新しい文化施設「アクリエひめじ」、巨大なレンガ壁のモチーフは何? | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
(写真:古川 泰造)
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兵庫県姫路市は、姫路城などの観光と、スポーツやコンベンションを連携させた国際都市を目指しています。その中核拠点として、2021年9月に完成したのが姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」です。
建物は地上5階建てで、延べ面積は約2万9000m2。大中小3つのホールと広さが4000m2の展示場、10室の会議室、スタジオなどが入っています。市民の利用から国際会議まで、幅広い用途に対応できるプランと性能を備えています。
一体で整備した隣接する公園内からスロープを上がっていくと、2階のメインエントランスに着きます。中に入ると、大きなレンガの壁が続く共用ロビーが約100mにわたって延びています。
このレンガの大壁は、姫路市に関連するあるものをモチーフにしています。それは次の3つのうち、どれでしょうか。
- 姫路城の石垣
- 姉妹都市の街並み
- かつての酒蔵
正解はこちら
1.姫路城の石垣
(写真:古川 泰造)
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上の写真は、建物を東側から見たところです。レンガ積みと白い塗装の外観は、大天守と小天守が並ぶ姫路城の姿に似ています。内外装で合わせて、約15万個のレンガを使用しました。
レンガ積みの壁は、黄色味を帯びています。これは姫路城の石垣に倣ったものです。4種類の色幅を設定し、一定の色むらが出るように焼成しました。
「レンガという昔からある材料を使い、新しい空間の創出に挑んだ」。設計を取りまとめた、日建設計フェロー役員デザインフェローの江副敏史氏はそう話します。
(写真:土田 昌平)
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(写真:土田 昌平)
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建物の規模にしては短い29カ月の施工期間に、大量のレンガを積み上げなければなりません。そこで「レンガユニット工法」を新たに開発し、工期を短縮しました。現場内の施工ヤードで一定数のレンガを組み上げたユニットをつくり、クレーンなどの重機でつって取り付けていくものです。
1ユニットの幅は、本体鉄骨柱のスパンと同じ2.7mとしました。スパンごとにレンガユニットを設置していき、鉄骨柱の部分に残る隙間には、後からレンガをはめ込んで目地を施工しました。完成後は一面が同じレンガで覆われているため、ユニットの継ぎ目はほとんど分かりません。
写真で見る「アクリエひめじ」
(写真:古川 泰造)
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(写真:古川 泰造)
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(写真:古川 泰造)
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(写真:古川 泰造
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