三井住友FG、SBIと本格提携…メガバンク初のネット証券大手へ参画

読売新聞オンライン

三井住友銀行

 

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、インターネット証券最大手のSBIホールディングス(HD)に対して数%出資し、証券事業で本格提携することが21日、わかった。メガバンクグループが新興のネット証券大手に資本参画する初のケースとなる。両者トップがすでに大筋合意しており、近く公表する。

 関係筋によると、SBIが三井住友FGを引き受け先とする第三者割当増資を行い、三井住友FGがSBI株式の5~10%程度を数百億円で取得する方向で調整している。海外の金融当局への承認手続き中だ。実現すれば、三井住友FGはSBIグループの実質創業者である北尾吉孝社長の持ち分(1・6%)を上回って、事実上の筆頭株主となる見通しだ。

 両社はネット証券分野を起点とし、デジタル金融サービス「フィンテック」で新たな展開をすることを狙う。

 三井住友FGは、傘下にSMBC日興証券があるが、ネット証券では対応が遅れていた。ネット証券で圧倒的な業界トップにあるSBIとの補完効果を目指す。SBIも三井住友FGの金融サービスとの連携で業容拡大を図る。

 両グループは2020年に資本・業務提携を結んだが、三井住友FGがSBIのスマートフォン向け証券サービスを手がける子会社の株式を20%取得しただけにとどまっていた。今回、グループの司令塔である持ち株会社への出資を通じ、主力事業のSBI証券との本格的な連携に踏み込む。

 SBIは、三井住友FG傘下で約3000万の預金口座を抱える三井住友銀行や、クレジットカード大手の三井住友カードなどとの相乗効果を見込む。SBI証券の利用者層は20~40歳代が多く、三井住友銀行やSMBC日興証券が強みとする中高年層とは顧客層が異なり、補完関係が見込める。

 SBIは昨年末、新生銀行(旧日本長期信用銀行)に対して株式公開買い付け(TOB)を実施して傘下に収めたほか、地方銀行と次々に資本・業務提携を結び、事業拡大を加速している

 

 

【独自】三井住友FG、SBIと本格提携…メガバンク初のネット証券大手へ参画(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース