低い山だから」…増える登山遭難 コロナ下の屋外レジャーに落とし穴
宝満山(福岡県)の登山口には遭難への注意を呼びかける看板が設置されている
新型コロナウイルスの感染拡大で屋外レジャーの人気が高まる中、九州で登山客の遭難事案が増えている。
九州7県では、
2019年までの4年間は140件台で推移していたが、
新型コロナが広がり始めた20年は177件に増加。
山中で道に迷ったり、
滑落して動けなくなったりするケースがあり、
低い山での遭難も目立つ。
行楽シーズンに入り、警察は注意を呼びかけている。
警察庁によると、20年に全国で発生した山岳遭難は2294件で、
死者・行方不明者は278人に上る。
原因は、
自分の位置が分からなくなる「道迷い」が最多の44%で、
悪天候や不注意による「滑落」が16%だった。
全国的には遭難件数は前年より減ったが、
九州では福岡、佐賀、熊本、大分、鹿児島の5県で増加。
特に福岡県は11件増の44件となり過去10年で最も多く、4人が亡くなった。
同県は、太宰府市周辺の宝満山(829メートル)など標高が低く、
人気の山が多いのが特徴。
4月11日夜には、福岡市などにまたがる
三日月山(272メートル)を登山中だった10代の男性が「道に迷って下りられなくなった」と119番。
消防隊が発見し、幸い無事に下山できた。