身寄りがないまま来日したウクライナ避難民ハンナさん 日本での“希望”【WBS】
ロシアによる侵攻で、ウクライナからポーランドに避難した人のうち20人が5日、政府専用機で日本に到着しました。今回、日本に親族など身寄りがないまま来日した21歳の女性を追いました。 5日午前11時半、羽田空港に到着した日本の政府専用機。乗っていたのはポーランドに避難していたウクライナの避難民。6歳から66歳までの男性5人、女性15人の合わせて20人です。20人は機内で新型コロナウイルスの抗原検査を受け、全員の陰性が確認されたということです。 身元引受人がいる人は早速、滞在先へ移動しました。
37歳の女性と13歳の息子の2人は、
大阪・吹田市で暮らしている母親の重山ネリさんの元にやってきました。
今後は吹田市で生活するということです。
政府は今回の入国に関して、費用は請求せず、在ポーランド大使館で可能な範囲で募集し、日本行きの意思を確認した20人を選んだとしています
難民の受け入れに消極的な日本としては、人道的な配慮として異例の対応です。
これまで受け入れていたウクライナ人避難民404人はすべて日本に身寄りがある人でしたが、今回初めて身寄りのない人も対象となりました。
その中の一人、ハンナ・メドベージェワさん(21)。
テレビ東京では、ポーランドから旅立つ様子に密着していました。
ハンナさんはロシアとの国境に近い激戦地のハリコフに住んでいましたが、母親と妹の3人で戦火を逃れてポーランドへ。もともと日本のアニメなどの文化に興味を持っていたハンナさんは、日本政府の避難民受け入れを知り、来日を決意しました。今回、コロナ対策のため隔離されているホテルからインタビューすることができました。
ーー日本の空気は感じられたか。
「飛行機やバスの中から、太平洋や日本の景色が見られて感動しています」
ーー到着後に家族とはどんなやり取りをしたのか。
「『無事に着いたか』『体調は大丈夫か』『日本はどうか』と聞かれました。
私は『すごくいい気分』と答えました」 飛行機に乗るのも、ヨーロッパから出るのも初めてというハンナさん。3日間の隔離をへて、別のホテルに移った後、住む場所に案内される予定です。
もともとウクライナの大学で音楽を学んでいたハンナさんですが、
日本での今後については「ビザの申請書には音楽やボーカルの勉強をしたいと記入しました。
日本語の勉強会があると大使館で聞いたので、
日本語の勉強をして大学にも入学したいし、その後は仕事もしたい」と話します。
ウクライナでの不安な気持ちは、日本に来ることで前向きになれたと言います。
「普段難民を受け入れないアジアの国が受け入れてくれて、ウクライナ人として感動しているし、感謝しています。この先どうすればいいか、いつ戦争が終わるか分かりませんでしたが、今は何をやりたいか決まったし、自分の未来も考えています。全部うまくいくと思います
西濃運輸では仕分け先はアルファベットと数字で示されているため、日本語が分からなくても作業ができる
ひと足先に、日本へ避難してきた方を訪ねました。
ホンチャレンコ・ユーリアさんは、
都内在住の息子を頼って、ウクライナのキーウ(キエフ)から娘と一緒に先月20日、
日本へ避難してきました。
「日本では必要なものはすべてそろっていて、安全に暮らせます。とても思いやりのある人々がいるし、自然もきれいだし、珍しくておいしい食べ物もある。
桜も見てきました」
ユーリアさんと娘が暮らす1DKのマンション。
4日に入居したばかりです。
不動産仲介会社のアパマンがウクライナ避難民向けに無償で提供しています。
部屋には電子レンジや冷蔵庫などが備え付けられ、すぐ生活できるようになっています。
テーブルには「みんなの日本語」という日本語テキストとノートがありました。
ユーリアさんは日本での生活に少しでもなれようとひらがなの読み書きの練習をしています。生活をしていく上で言葉の壁を感じていると言います。
「日本に初めて来た人たちや、日本語を勉強したことがない人たちにとって大変です」
アパマンではウクライナ避難民に対して約100戸を用意しています。
「もともと東日本大震災以来、被災者に住宅提供を継続してやってきた。その延長線で今回も同じように協力した」(「アパマン プロパティ」プロパティマネジメント事業本部の堀巌太さん)
避難民の支援は住まいだけでなく、働く場所も。
物流大手の西濃運輸では、避難民に荷物を仕分ける仕事を提供する予定です。
仕分け先はアルファベットと数字で示されているため、日本語が分からなくても作業ができます。
西濃運輸では、全国にある拠点から居住地などを考慮して雇用を提供し、
仕事をしやすい環境を整える方針です。
「1社でできる支援は非常に限られている。支援の輪が広がるのではと考えています」(西濃運輸ブランド戦略部の市橋伸介さん)
他にも大手料理教室ABCクッキングスタジオが就業受け入れを表明するなど、
政府に支援を申し出た企業や自治体は4日までに679件に上っています。
※ワールドビジネスサテライト
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