ロール網戸のコードで幼児死亡 付属クリップの使い方知らず
桑原 豊日経クロステック/日経アーキテクチュア
荒川 尚美日経クロステック/日経アーキテクチュア
星野 拓美日経クロステック/日経アーキテクチュア
大菅 力上げ下げロール網戸の操作コードに幼児の首が絡まり、死亡する事故が2019年11月に発生。被害者の家族は網戸の製造会社と施工会社を提訴した。操作コードを束ねる付属クリップが争点になっている。
死亡事故が起こったロール網戸は、土屋ホームトピア(札幌市)の支店が被害者の住宅に設置したばかりの新品だった。製品はYKK AP製で、ループ状の操作コードを束ねて絡まり事故を防止する後付けのクリップが付属されていた〔図1〕。
【 事故原因 】
〔図1〕ループ状の操作コードに絡まる
幼児の死亡事故が発生した上げ下げロール網戸のイメージ。ループ状の操作コードに首が絡まった。原告は「クリップが最初から取り付けられていなかった」と主張している(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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被害者の両親らは、YKK APと土屋ホームトピアを相手取り、損害賠償を求める訴訟を2020年8月に大阪地方裁判所で起こした。22年2月時点で係争中だ。
原告側は、製造会社に対して製造物責任(PL)法上の責任を負うと主張する。製品は一定の荷重がかかるとコードが分離するなどの安全対策を欠いているうえ、出荷時にクリップが装着されていない、消費者向けの取扱説明書が同梱されていないなどの欠陥があるとする。
施工会社に対しては、民法上の不法行為責任を負うと主張している。危険な製品を発注者の了解なく選定して、クリップを装着せず引き渡したうえ、クリップの取り扱い方を説明していないなどが理由だ。
原告の主張に対してYKK APは、「事故が起こったことを大変重く受け止めている。係争中なので回答は差し控える」と話す。土屋ホームトピアは「裁判中で不確定な点が多いので、現段階では話せない」と答える
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