ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店レポート

 
 

マルタ十字が迎える洗練された空間

2021年12月5日、ヴァシュロン・コンスタンタンの新しい旗艦店が、東京・銀座にオープンした。銀座四丁目の交差点にほど近い、晴海通り沿いという絶好のロケ―ション。時計愛好家であれば、老舗時計店の天賞堂をご存じだろうが、そのビルの1~2階スペースがヴァシュロン・コンスタンタンのブティックに生まれ変わった。

ヴァシュロン・コンスタンタンを象徴するマルタ十字をモチーフとする印象的なファサードに迎えられて店内に足を踏み入れると、外光がたっぷりと注ぐ明るく洗練された空間が待っている。メゾンを代表するパトリモニー、トラディショナル、オーヴァーシーズ、フィフティーシックス、ヒストリーク、エジェリーなど、全てのコレクションがラインアップされ、工芸性の高いメティエ・ダールやハイコンプリケーションモデル、またブティック限定モデルなども並ぶ。

壁面には、パリのクラフツマンの手になるマルケトリ(象嵌細工)作品があしらわれ、アーティスティックな印象を醸し出す。
またオープニングに合わせて、イラストレーターで絵本作家でもある山崎杉夫氏が、このブティックのために制作した切り絵作品もディスプレイされている。ヴァシュロン・コンスタンタンが掲げる「Classic with a Twist(伝統的でありながら遊び心がある)」というビジョンにインスパイアされた、明るくポップで、シーズンごとの空気感も反映した作品が、時計と出会う楽しさを高めてくれる。

 

 

 

 

 

 

銀座四丁目交差点にほど近いロケーション。マルタ十字をモチーフとするファサードが印象的だ。
1階スペースには、メゾンを代表する全コレクションが並ぶ。壁面のブルーのマルケトリ作品もアーティスティックな雰囲気を醸し出す。

REPORT 2顧客を満足させるかつてないサービス

2階に上がると、サロンスペースが用意されている。マルタ十字をモチーフとする大型の窓から外光が注ぐ中、ソファーに腰を下ろし、くつろいだ雰囲気で時計との対話を楽しむことができる。

また、時計師が常駐するスペース、ウォッチメイキングベンチも興味深い。クイックリペアやメンテナンスの相談等にあたるだけでなく、顧客は時計師用スペース前に設けられたベンチに腰掛け、作業中の時計師の手元をスクリーン上に拡大して眺められるのも、時計愛好家にとっては嬉しい趣向だろう。

さらに、カスタムストラップステーションも設けられている。タッチパネル上で、時計とストラップの画像を組み合わせながら、カラーや素材、ステッチなどのディテールを選ぶことができる。ストラップを交換すると、時計の雰囲気ががらりと変わり、新たな魅力を発見することができるものだ。ヴァシュロン・コンスタンタンの純正ストラップで、こうした体験を楽しめることも喜ばしい。

時計愛好家にとって見逃せないのが「レ・コレクショナー」というサービス。かつてヴァシュロン・コンスタンタンが製作した歴史的なモデルを、メゾンで買い戻し、ヘリテージ部門で入念なメンテナンスを施した後、鑑定書と2年間の保証書をつけて改めて販売するというもの。サロンスペース奥のカウンタ―テーブルの引き出しに、まるで宝物が隠されているかのように、特別な時計たちが息をひそめている。常時6~8本が用意されている。

これまでにない魅力的なサービスを用意し、心躍る洗練された空間となったヴァシュロン・コンスタンタン 銀座本店。ジュネーブの名門が生み出す逸品との出会いを求めて、ぜひ訪れてみたい。

 

COLUMN 1新旗艦店オープンをコノサーが祝福

ヴァシュロン・コンスタンタンの新旗艦店オープンに先駆け2021年12月1日には、これを祝うエクスクルーシブなレセプションパーティが開催された。世界的な指揮者の佐渡裕、俳優でアーティストの美波、ヴァシュロン・コンスタンタン ジャパンマネージングディレクターのヴァンサン・グジェの3氏による鏡開きで幕を開けたこのパーティーには、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏、元プロサッカー選手の播戸竜二氏、ミシュラン3つ星フレンチレストラン、カンテサンスのオーナーシェフ岸田周三氏、落語家 瀧川鯉斗氏、Kバレエカンパニー名誉プリンシパルの中村祥子氏ら、各界で活躍する一流のコノサー(目利き)が招かれ、華やいだ雰囲気で旗艦店のオープンを祝福した。

VACHERON CONSTANTIN GENÉVE 老舗が刻み続ける革新はここに。銀座本店で体感する新しいヴァシュロン・コンスタンタン:朝日新聞デジタル (asahi.com)