デザインを担当した
コクヨの
佐藤航さん、青木耕治さん
課題となった点、手法、特徴
コストメリットとメッセージ性という2つの側面を叶えるため、汎用的な建築構造を用いてオリジナルデザインに昇華することを考えました。ここではルナントラスという工場や倉庫、ビニールハウスなどで使われている立体トラス構造を使用しています。このトラス構造を枝に見立て、現地の方々も参加しながらイエローで丁寧に塗り分けることで、柚子の木の建築構造を持つこの地ならではの建築をつくりました。
またプロジェクトを進める中で、KDHさんより子どもやお年寄りへの配慮から島什器の高さを低くするアイデアをいただきました。そこで、トイレ・控室などの個室の天井の高さも同様に低く抑え、空間を構成するすべての要素が大屋根の下でそっと低く置かれるイメージで設計し、ひとつの空間になるように計画しました。
所在地 | 徳島県那賀郡那賀町木頭北川宇いも志屋敷11-1 |
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建築・インテリアデザイン | 佐藤航、青木耕治、黒尾智也、須賀真紀子/コクヨ 蜜石陽平、狩野拓真/GEN設計 |
照明デザイン | 加藤久樹/Hisaki Kato Lighting & Design |
構造設計 | ルナン研究所 |
設備設計 | 原田典政/福祉計画研究所 |
施工 | 北岡組 |
企画 | KITO DESIGN HOLDINGS |
企画協力 | 山内康裕/レインボーバード 、敦賀正樹/クオリア |
クリエイティブディレクション | 鵜野澤啓祐 |
延床面積 | 185m2 |
竣工日 | 2020年4月24日 |
撮影 | 山本慶太/ナカサ&パートナーズ |
コクヨ
Review
DESIGNER:
佐藤 航[Wataru Sato]
様々なご縁から念願の建築を初めてデザインさせていただきました。プロジェクトの皆様の木頭に対する熱い想いをどう形につなげるか、その先の木頭の方々、来訪する方々にどうストーリーとして届けるか、を大事に設計しました。そのために木頭に何度も足を運び、木頭の自然や村の魅力を体感しました。特に印象的なのが村民の方々や関係者が温かく、熱意を持ってプロジェクトを支えてくれること。それだけこのプロジェクト自体が魅力的で共感を呼ぶものだと実感しています。
DESIGNER:
青木 耕治[Koji Aoki]
この未来コンビニの「未来」は最新技術を駆使したコンビニという意味ではなく、「未来を担う子どもたちのために」という想いから名付けられたものです。日本では限界集落が2万件を超え、その勢いも加速している状況ですがそれを仕方がない・・では無く ”未来を担う子供のため” “すべての人が笑顔になれる、奇跡の村を創る”というミッションを掲げて行動され続ける KITO DESIGN HOLDINGS様 の想いに触れた事は、私の設計人生においても大きく影響すると思いますし、大変感謝しております。
DESIGNER:
黒尾 智也[Tomoya Kuroo]
地元の方々に愛され、子供たちの成長を見守り、この村を訪れる人たちを温かく迎えてくれる。そんな環境を作りたいと考えながらデザインワークに取り組みました。地元特産の柚子をモチーフにしたシンプルで特徴的な躯体、子供達のアイレベルに合わせたゴンドラ、人と情報が混ざり合うイベントスペースなど、コンビニの枠を超えた、まさに「未来のコンビニ」ができたと思います。
DESIGNER:
須賀 真紀子[Makiko Suga]
計画当初、コンビニの機能的で無機質なイメージと未来というテーマが、どう交わるだろう…と思っていました。最終的には、単に便利な商店をつくることではなく、特産品や地元食材の加工品が置かれ、人々が集って会話できるスペースがあったりと、フレンドリーで暖かい場になったと感じます。建築から内装まで一貫して、未来感を大切に、3Dでイメージを組み立てながら沢山のパターンを検討しました。柱やトラス構造の印象的な色・かたちが目を引きながらも、地元の方たちの生活に溶け込んでゆく場になることを願っています。
事業内容:コンビニエンスストア、カフェ、インフォメーション
納入年月:2020/04
物件面積:185平方メートル
入居人数:30人
提供内容:建築・インテリア・ランドスケープデザイン
未来コンビニ|納入事例|ソリューション 働き方改革を支える|コクヨ ファニチャー (kokuyo-furniture.co.jp)