西松建設が伊藤忠と資本業務提携、物言う株主と関係解消
橋本 剛志
日経クロステック/日経コンストラクション
西松建設は伊藤忠商事と資本業務提携を結び、アクティビスト(物言う株主)のシティインデックスイレブンス(東京・渋谷、以下、シティ)との関係を解消した。2021年12月15日に伊藤忠商事が、シティなどから西松建設の株式を買い取った。西松建設は建材販売や不動産開発を手掛ける伊藤忠との提携を通じ、既存事業の効率化や不動産事業の拡大を急ぐ。
西松建設の本社。2020年から続くアクティビストとの対立が幕を閉じた(写真:日経コンストラクション)
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シティなどが保有していた西松建設の株式は、議決権ベースで10%。譲渡に伴い、伊藤忠は西松建設の筆頭株主となった。
シティは20年から西松建設の株を買い増し、株主還元策の強化を求めていた。一方で西松建設は不動産など長期的な事業の育成を重視し、シティと対立していた。
21年5月には22年3月期の増配を発表し、中期経営計画で200億円の自社株買いといった株主還元策を示した。だがシティは保有する不動産の売却や自社株買いの金額上積み、株式を保有する大豊建設とのM&A(合併・買収)を提案。西松建設はシティに株の買い増し中止を要求するなど、対立は深まっていた。
その後、西松建設は9月に自社株のTOB(株式公開買い付け)を開始。シティは同社が保有する全ての株についてTOBに応じる契約を西松建設と締結した。10月のTOB完了後、シティ側に残った株式を伊藤忠が145億円で買い取った
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