日本最大級の木造マンション完成、見学会で明かされた「脱アパート」への挑戦
石戸 拓朗
日経クロステック/日経アーキテクチュア
枠組み壁工法による日本最大級の木造マンションとして注目を集める「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」が東京都稲城市に完成した。建て主の三井ホームによると、2021年11月以降に開いた外部向けの見学会には、不動産会社や金融機関などから2000人超の申し込みがあったという。筆者も例に漏れず、同年12月8日の完成見学会に参加してきた。
モクシオン稲城の外観。京王相模原線稲城駅から徒歩3分の敷地に立つ。筆者が参加した見学会はあいにくの天気だった(写真:日経クロステック)
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モクシオン稲城は、三井ホームが設計・施工を手掛けた5階建ての賃貸マンション。1階には鉄筋コンクリート(RC)造、2~5階には木造を採用した。同社は、「MOCXION」と呼ぶ木造マンションのブランドを立ち上げ、モクシオン稲城を初弾に位置付けている。
見どころの1つは、技術的な工夫だ。例えば、三井ホームの開発した高強度の耐力壁「MOCX wall(モクスウォール)」を採用。壁倍率31倍相当の耐力を実現している。この耐力壁によって、住戸の有効面積を広くできるうえ、施工コストも抑えられる。
高強度の耐力壁「MOCX wall(モクスウォール)」の構成を示した模型(写真:日経クロステック)
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RC造と比べて軽い木造は、床の遮音性能が弱点になりやすい。モクシオン稲城では、防振ゴムを備えた制振パッドを床下に採用。歩行などの衝撃力を吸収する。
床の断面構成を示した模型。防振ゴムを備えた制振パッドを床下に採用した(写真:日経クロステック
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