とてつもなくすごい研究者」 真鍋氏のノーベル物理学賞に祝福の声
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今年のノーベル物理学賞に決まった真鍋淑郎さん(90)のかつての研究仲間や気候科学の研究者からは祝福の声が上がった。
「とことん考える人で、時間も忘れて議論した」。
阿部彩子・東京大大気海洋研究所地球表層圏変動研究センター長は真鍋さんらが率いる研究プロジェクトの下で働いたことがある。
「学生に研究テーマを与える時は、赤ん坊に離乳食を食べさせるように、大きな研究課題を丁寧にテーマを小さくして渡すといい」と助言してくれたという。
阿部さんは「大きな視点と小さな視点を併せ持つと共に、とても若い研究者にも優しい人だった」と振り返る。
花輪公雄・山形大理事・副学長(海洋物理学)は
1990年代に米プリンストン大の真鍋さんの研究室を訪問した時のことをよく覚えているという。「ものすごい勢いで自分のやっている研究をまくしたてられた。当時は真鍋先生の全盛期と言え、出てくる論文は全部読まなければ、という感じだった」と振り返る。
気候科学者の江守正多・国立環境研究所地球システム領域副領域長は
「物理法則を組み合わせると地球の気候が再現できるなんていう誰もやったことがなかったところからモデルを作った。現在の地球温暖化に関する我々の理解や将来予測に欠くことができない研究分野を作った、とてつもなくすごい研究者」と手放しで褒めたたえた。
【鳥井真平、吉田卓矢