野村不とJR東が芝浦で大規模開発着工、旧東芝ビルを235mのツインタワーに建て替え
川又 英紀日経クロステック
野村不動産ホールディングス傘下の野村不動産と野村不動産ビルディング、そして東日本旅客鉄道(JR東日本)の3社は、共同で推進している国家戦略特別区域計画の特定事業「芝浦1丁目プロジェクト」の事業者として、2021年9月28日に起工式を行い、同年10月1日に着工すると発表した。
東京都港区の「芝浦1丁目プロジェクト」の完成イメージ(資料:野村不動産ホールディングス、JR東日本)
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このプロジェクトは東京都港区にある浜松町ビルディング(旧・東芝ビルディング)の建て替え事業として、
今回着工するS棟と
27年度に着工予定のN棟の2つから成る。
S棟とN棟の高さは共に約235mで、
完成すればツインタワーになる計画だ。
竣工はS棟が24年度、
全体は30年度を予定している。
高さが約235mのツインタワーを建設する(資料:野村不動産ホールディングス、JR東日本)
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区域面積は約4万7000m2、全体の延べ面積は約55万m2と巨大だ。
ツインタワーにはオフィスやホテル、商業施設、共同住宅、駐車場などが入り、完成まで約10年に及ぶ大規模複合開発になる。
計画地はJR浜松町駅に隣接する、山手線沿いの広大な敷地だ(資料:野村不動産ホールディングス、JR東日本)
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オフィスや商業施設、駐車場に加え、
S棟の上層部にはホテル、
N棟の上層部には共同住宅が入る予定
(資料:野村不動産ホールディングス、JR東日本)
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先に完成するS棟は
地下3階・地上43階建て。
27年度に着工予定のN棟は地下3階・地上45階建て。
S棟の設計は槇総合計画事務所と清水建設、日建設計、アラップ、施工は清水建設が手掛ける。
N棟は未定だ。
芝浦1丁目プロジェクトの概要(資料:野村不動産ホールディングス、JR東日本)
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芝浦1丁目プロジェクトは気候変動に対する緩和策として、
街区全体でCO2排出量の実質ゼロを目標に掲げているのも大きな特徴だ。
最新の省エネルギー・省CO2技術や、
自社施設での創電による再生可能エネルギー、
カーボンニュートラル都市ガスの導入などを検討
する。
水害などにも耐えられる性能を備え、
都市機能の維持に貢献する。
敷地内に防潮板を設置するだけでなく、
浸水に備えて重要電気諸施設は地上2階以上に配置する。
地下の重要施設には水密扉を設置。
内水氾濫対策として、雨水対応の緊急遮断弁を設ける