2つのジンクスに屈した菅首相 変わるのは「本の表紙」だけか
菅義偉(すが・よしひで)政権の終焉(しゅうえん)が近づいている。自民党新総裁が29日に選ばれ、10月4日召集の臨時国会で第100代首相に指名されると、菅氏は政権の座を明け渡す。在任期間は約1年1カ月。俗に言う「短命内閣」である。
昨年9月、秋田県の寒村から裸一貫で上京し、横浜市議から国政に進出した「たたき上げ」の宰相誕生に世は沸いた。ご祝儀相場もあったろうが、報道各社の世論調査で内閣支持率は軒並み6割を超えた。与党内では「支持率が高いうちに」と、就任早々に菅氏が衆院解散に踏み切ることへの期待も渦巻いた。その1年後、総裁選に立候補できないほど尾羽打ち枯らした首相の姿を、当時だれが想像しただろう。
外れた「もくろみ」