たっぷり食べるなら夕食より朝食のほうがいい」便秘を改善する"イヌリン食材"

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プレジデントオンライン

イヌリンは朝に摂ると便秘改善の効果あり

 

 

 

  次にバクテロイデスとファーミキュティスという細菌の存在比(%)を調べました。一般的にバクテロイデスが多い方が肥満になりにくく、一方ファーミキュティスが多いと肥満になりやすいといわれています。実験では、菊芋を摂取すると、バクテロイデスが増加し、ファーミキュティスが減少する傾向にありました。ただ、菊芋を朝摂取しても夕方に摂取しても、この効果は認められたものの、ここでも個人差が大きい結果となりました。  

 

 

また、別の調査で、高齢者を対象に菊芋の主成分であるイヌリン5gを10週間摂取してもらいました。食べ方は自由で、摂取時刻と排便状況を記載するようにお願いしました。

その結果、10週間にわたって継続して摂取した人は全体の70%で、非常に継続率が高くなりました。朝10時までに摂取した人の継続率が高く、一方で摂取を中断した人の半数以上は午後4時以降に摂取した人でした。

継続した人はその理由について、便秘の解消や排便状況および胃腸症状の改善が見られたことをあげています。  

 

このことから、イヌリンは便秘の改善につながり、

夕方より朝に摂る方が、その効果を感じられ、

そのことが摂取の継続につながるという可能性が考えられます。

 

 

 

 ---------- 柴田 重信(しばた・しげのぶ) 早稲田大学先進理工学研究科教授 1953年生まれ。1976年九州大学薬学部薬学科卒業。1981年同大大学院薬学研究科博士課程修了。薬学博士。早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より現職。日本時間栄養学会会長などを務める。監修書『食べる時間を変えれば健康になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著書『Q&Aですらすらわかる体内時計健康法 時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康』(杏林書院)など多数。 ----------

早稲田大学先進理工学研究科教授 柴田 重信