大谷翔平9勝目ならず…湿り気打線こそのプレッシャー、オリオールズ19連敗脱出をアシスト
配信
先頭打者弾を浴びた大谷(C)ロイター/USA TODAY Sports
エンゼルス・大谷翔平(27)が日本時間26日、敵地ボルティモアでのオリオールズ戦に登板。打順は1番に入り、リアル二刀流で起用された。
投げては5回をメジャー自己ワーストの3本塁打を含む5安打4失点、打っては4打数無安打、3三振だった。 大谷は勝利投手の権利を保持したたまマウンドを降りたが、リリーフ陣が八回に逆転されて白星が消え、9勝目(1敗)はならなかった。チームは6-10で敗れ、オリオールズの19連敗ストップをアシストした。 相手のオリオールズは開幕から低迷し、38勝86敗の勝率.306で首位レイズと39ゲーム差のア・リーグ東地区最下位に沈んでいる。投手陣が崩壊状態のうえに、打線も迫力に欠ける。総得点494はレンジャーズの476に次ぐリーグワースト2位。得点圏打率・226は同ワーストで、タイムリー欠乏症に陥っている(記録は25日現在)。 今季、ナ・リーグ西地区最下位(勝率.331)のダイヤモンドバックスと並ぶメジャー最弱のオ軍相手となれば、大谷にとっては逆にプレッシャーのかかるマウンドだったに違いない。 負ければ1988年に喫した21連敗の球団記録に王手がかかるだけに、オ軍打線は大谷をはじめとするエ軍投手陣を死に物狂いで攻略にかかった。 「連敗中の相手に投げるのは嫌なものですよ」と、元横浜(現DeNA)投手コーチで大リーグ中継の解説を務める評論家の堀井恒雄氏がこう続ける。 「打線が湿っているチームでも、プロの打者がバットを持って打席に立っている以上、いつ当たりが戻っても不思議ではない。投手としては『そろそろ打線が息を吹き返すのではないか』と意識しながらのマウンドになるものです。私がコーチ時代にこのようなケースでは『用心しろ』とは言わず、『普通に投げれば抑えられるよ』と、極力、平常心を保つようアドバイスしました。大谷は勝てば2ケタ勝利に王手がかかるし、勝って当然の相手だけに、嫌でもオリオールズ打線を意識せざるを得なかったのではないか」 マウンドでは相手打線よりも自分との戦いを強いられたようだ