新型コロナ自宅療養者10万人に迫る…訪問医が語るリアルな実態

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読売テレビ

全国でいち早く訪問診療チームを立ち上げた医師

京都のよしき往診クリニック院長 守上佳樹医師

全国でもいち早く訪問診療チームを立ち上げた、京都のよしき往診クリニック院長・守上佳樹(もりかみ・よしき)医師に、「自宅療養」の実態や課題などについて詳しく伺いました。 【訃報】“コロナ”で急変…千葉真一さん死去 真剣佑さん・郷敦さん 息子たち に託す思い、そして最後の姿を50年来の友人が語る

「訪問診療チーム」の体制

守上先生が立ち上げられた訪問診療チームは、24時間体制、医師6人を含む看護師・薬剤師・酸素濃縮器の業者など30人体制で、保健所が自宅療養者の健康観察を行って、医師の介入が必要と判断された場合に要請を受け、必要に応じて毎日訪問を行うというものです。

予断を許さない現状…

守上医師が見た 自宅療養者の実態

 

 

全国的に自宅療養者が増加する中、守上先生は「2021年2月に訪問診療チームをスタートさせたが、第5波は第4波と比べて数の上がり方が全然違うので予断を許さない状況で、京都でも、他の都道府県と同様、なかなか入院ができない状況になってきています」と現状を語ります。

訪問診療の内容とは…

「訪問診療チーム」の診療内容

さらに、療養者の自宅へ訪問したときの様子を聞くと、 「コロナは呼吸器疾患なのでまずは呼吸状態を診ますが、実際に家まで行きますので、採血をしたり血圧を測ったり呼吸数を診たり、あと、いつもの薬が飲めているかとか、家の中での状態をチェックします」 一方、診療する側にも気を付けなければいけない点があると言います。 「チームの感染リスクが増えるので、聴診器を使えないのです。なるべく短く、こちらの感染リスクを最低限にしながら、一番クオリティーの高い診療をしないといけないですね」

血中酸素飽和度と患者の状態

血液中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」の備えを拡充する動きが各自治体で相次いでいますが、守上先生は「酸素飽和度の数値と患者さんの実際の状態が違うことが往々にしてあります」と言います。 「2つのパターンがあり、1つは数値に比べて悪いパターン。若い方に多く、実際に状態が悪いのに、呼吸回数を増やして正常な数値を保ってしまうということです。実際、私が訪問診療をした50代の一人暮らしの男性は、最初はずっと我慢していたと思うのですが、結局、意識不明でベッドから起き上がれず、血中酸素飽和度も70%台になってしまったことで、緊急酸素投与してその日のうちに緊急搬送し、入院させました」 また、数値が良くないのに状態は悪くないパターンもあり、「高齢者に多く、誤った測り方をしてしまい数値が悪く出てしまうということ。こういうこともあるので、現場では数値だけを見て、それに直結するような診療はしていないです」といいます。

自宅療養のポイント

自宅療養のポイント

守上先生から自宅療養のポイントをお伺いしました。 「つらいときは解熱剤を服用してください。熱が出てくると食事ができなくなり、脱水症状となってしまい、呼吸器疾患だけではなく二次的な症状を引き起こす恐れもあります。そこはストップしてもらいたいです。思った以上に皆さん、ご飯が食べられなくなります。ですので、食べられるときに頑張って食べて、栄養や水分を蓄えてほしいと思います」 

 

(情報ライブミヤネ屋 2021年8月23日放送