塩野義、コロナワクチンの実用化にめど 年度内めざす
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塩野義製薬が新型コロナウイルスのワクチン製造を委託する「ユニジェン」の工場=岐阜県池田町、同社提供
塩野義製薬(大阪市)は2日、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、今年度中にも実用化するめどがついたことを明らかにした。
これまで国内メーカーにとっては数万人規模で行う最終段階の臨床試験(治験)が壁となっていたが、
国が新しい治験方法を認める方針を表明。
同社は製剤の一部を変えることで、対応できる見通しになったという。
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年内に治験の最終段階に入り、年度内に国から承認を受けて供給することを目指す。並行して製造工場の整備を進めており、年内には年間最大6千万人分の生産体制が整うという。 同社は昨年12月から国内で300人を対象とした治験を進めてきた。
だが従来の最終段階の治験は数万人の対象者を集め、半数ずつにワクチン候補と偽薬を打ち、発症予防効果を比べる仕組み。
先行する海外のワクチンが行き渡りつつあるなかで偽薬を打つことに倫理的な問題などがあり、実施は事実上困難だった。
そこで、国は新たな治験の方法を検討。ワクチン候補を打った人と、承認済みワクチンを打った人の血液を調べ、感染を防ぐ効果があるとされる「中和抗体」の量を比べる仕組みを導入する方針を固めた。現在、国際機関で最終的な調整を行っている。
朝日新聞社