熱海土石流 避難住民ら、盛り土めぐり賠償請求を検討

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朝日新聞デジタル

行政の対応などについて意見を話す被災者たち=2021年8月2日、静岡県熱海市、植松敬撮影

 

 

 

 静岡県熱海市で起きた土石流の起点付近にあった盛り土をめぐり、市内のホテルに避難している住民らが2日、記者会見した。法令基準を超える盛り土が被害を甚大化させたとみられており、住民は市や県、土地の所有者などに対し、損害賠償請求を検討していることを明らかにした。

 

 

  【写真】照りつける日差しのなか捜索活動を続ける消防隊員ら=2021年7月17日午前9時22分、静岡県熱海市伊豆山、川村直子撮影  

 

 

 

盛り土は、神奈川県小田原市の不動産会社が2007年に熱海市に届け出た計画に基づいて造成した。だが、静岡県によると、計画通りに造成されず、条例の基準の約3倍(約50メートル)の高さ、総量も計画と比べて約2倍(7万立方メートル超)になったと推定されている。排水施設や崩落防止の土堰堤(えんてい)もなかったとみられる。  県と市が事業者に指導を繰り返したものの、改善を強く求める命令は出していなかった。土地は11年2月に現所有者に売却。県や市の担当者が当時、盛り土の危険性を把握していたかどうかは「調査中」だ。

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