レオナルド・ダ・ヴィンチ」と同じY染色体を持つ存命の14人が特定 DNAから天才の秘密が解読できる?

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クーリエ・ジャポン

レオナルド・ダ・ヴィンチの存命の親戚には芸術家もいたPhoto: Carl Court/Getty Images

イタリア・ルネッサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの親戚にあたる存命の男性14人を特定したとする研究が発表された。 【画像】レオナルド・ダ・ヴィンチがスケッチした子宮内の胎児 英紙「ガーディアン」によれば、学術誌「ヒューマン・エボリューション」に掲載されたこの研究は、芸術史家のアレッサンドロ・ヴェッツォシとアニエーゼ・サバトが率いる長年のプロジェクトの一環だ。 今回の研究で明らかにされたのは、レオナルドを含む男系の家系図で、レオナルドの祖父ミケーレ(1331年生まれ)に始まり、存命の14人に至るまでの21代、5分家、690年間にわたるものだ。 英紙「テレグラフ」によれば、この14人の最年少は1歳、最年長は85歳だ。

名字もやっぱりヴィンチ

職業もさまざまで、鑑定士から、内装業者、農家、事務職まで、さらには芸術家もいる。全員が、レオナルドの出身地であるトスカーナに住んでいる。 同紙によれば、最年長のパオロ・ヴィンチは次のように述べている。 「レオナルドは比類なき天才であり、彼の遺伝子の一部をわずかでも共有できて光栄です。大きな誇りの源です」 ヴィンチ家では自分たちがレオナルドの血筋を引いているという噂は長年あったが、それを証明するものは何もなかったという。 芸術家のジャンニ・ヴィンチ(62)はこう冗談を言う。 「私の作品にはレオナルドが浮かばれないものもあるかもしれないが、大方は誇りに思ってもらえることを願うよ」

レオナルドのDNAを分析してどうするの?

研究者たちは、今度は彼らからDNAサンプルを採取したい構えだ。そのDNA分析によって、レオナルドの並外れた芸術的な才能や科学的な洞察だけでなく、彼が左利きだったことについても何か手がかりが得られるのではないかと期待しているようだ。 レオナルドの遺伝子プロファイルが特定されれば、彼のものとされる芸術作品に本人のDNAがわずかにでも残っていた場合、その真正性を立証することもできるかもしれない。 テレグラフ紙によれば、レオナルドはおそらく同性愛者で、子供をもうけていなかったが、20人以上の異母兄弟がいた。 今回の研究結果は、国際的な研究グループ「レオナルド・ダ・ヴィンチDNAプロジェクト」が進める調査に寄与することになるだろう。同プロジェクトの狙いは、フランスのアンボワーズ城に埋葬されている遺体が、実際にレオナルドのものかどうかを究明することだ。

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