「歴史的で多様な連合の勝利」 史上2人目の黒人NY市長誕生へ

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毎日新聞

支持者の前を歩くエリック・アダムズ氏(左)=米ニューヨーク市で2021年6月17日、AP

 

 

 

 米国最大都市・ニューヨーク市の次期市長が事実上決まる民主党予備選は6日、元警察官のブルックリン区長、エリック・アダムズ氏(60)が前市衛生局長、キャスリン・ガルシア氏(51)らを降し、勝利を確実にした。AP通信などが伝えた。ニューヨーク市は民主党の牙城のため、同党予備選を制したアダムズ氏は11月の本選でも圧倒的に有利な情勢だ。当選すれば、1990~93年に市長を務めたディンキンズ氏以来、2人目の黒人市長となる。  最大の争点だった治安対策のほか、コロナ禍で大打撃を受けた経済の再生、格差問題、人種差別問題などで重責を担うことになる。  6日の選管の発表によると、アダムズ氏の得票率は50・5%、ガルシア氏は49・5%で、8426票差だった。アダムズ氏は同日夜、声明で「未集計の票がわずかにあるが、結果は明らかだ。労働者階級のニューヨーカーによる歴史的で多様な連合が、我々を勝利に導いた」と勝利宣言をした。  今回の予備選には13人が立候補。有権者が上位5候補まで順位を付けて投票する「優先順位付き投票」が導入された。優先順位付き投票は「死票」が減って民意を反映しやすいとされるが、集計に時間もかかる。当初の暫定集計では、中道のアダムズ氏のほか、同じく中道のガルシア氏、左派の元市長顧問、マヤ・ワイリー氏(57)の3人の争いに絞られていた。  ロイター通信によると、ニューヨーク市では民主党の登録者数は共和党の6倍以上あり、民主党が強い地盤を持っている。共和党の候補を決める同党予備選では、防犯活動NPO「ガーディアン・エンジェルス」の創設者、カーティス・スリワ氏(67)が勝利を確実にしている。2期目の現職デブラシオ市長は任期満了に伴い今年末で退任する。

 

【ニューヨーク隅俊之