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諏訪之瀬島(すわのせじま)は、鹿児島県の吐噶喇(トカラ)列島に属する火山島である。人口は79人、世帯数は44世帯(2018年3月31日現在)[1]。十島村では中之島に次いで二番目に大きい島である。
地名(行政区画)としての「諏訪之瀬島」の呼称は鹿児島県鹿児島郡十島村の大字となっており、大字の区域は諏訪之瀬島の全域にわたる。
火山として
諏訪之瀬島の空中写真。
2009年12月8日撮影の23枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
諏訪之瀬島全景
火山活動が活発な安山岩質の成層火山である。島の中央部には崩壊カルデラがあり中央火口丘(スコリア丘)の御岳(おたけ)が形成されている。山頂の南西には直径200mの旧火口があり1813年の噴火では大量のスコリアの噴出についで安山岩質の溶岩流が流出し西海岸まで流下した。この噴火で全島民が島外に避難し1883年まで無人島となる。1884年には御岳の火口から東海岸まで溶岩流を流下し現在でも御岳では桜島と同じく日常的に噴火が発生している。安山岩質の火山は通常ブルカノ式噴火を起こすが、諏訪之瀬島では玄武岩の火山に多く見られるストロンボリ式噴火を多く発生することが知られている。
2021年3月5日、気象庁が『諏訪之瀬島の噴火警戒レベルの判定基準』を公表した[2]。
活動記録
地質的には70万年前からの活動が認められている。有史以降は以下を参照。
- 1813年 - 1814年:亜プリニー式噴火・スコリア降下 溶岩流が西海岸まで流下。噴火後1883年まで無人島になる。
- 1877年:噴火
- 1884年 - 1885年:ストロンボリ式噴火・スコリア降下・溶岩流
- 1914年3月21日:噴煙
- 1915年8月 - 9月:噴煙
- 1921年8月8日 - 9日:噴火
- 1922年1月26日 - 1925年:噴火
- 1925年5月13日:ストロンボリ式噴火・スコリア降下・溶岩流
- 1938年3月11日:噴火
- 1940年11月29日:噴火
- 1949年10月:ストロンボリ式噴火&ブルカノ式噴火
- 1950年 - 1954年:ストロンボリ式噴火&ブルカノ式噴火
- 1955年7月17日, 同月19日 - 諏訪瀬東曽根付近 (
北緯29度38分30秒 東経129度50分00秒)で海底爆発が発生。19日には噴煙が2000m以上上昇した[3]。
- 1957年 - 1997年:ストロンボリ式噴火&ブルカノ式噴火
- 1999年1月:噴煙・降灰
- 2000年2月:噴煙・降灰
- 2000年12月:小規模噴火・噴煙・降灰
- 2001年1月 - 2002年12月(不活発時期も含む):ストロンボリ式噴火・噴煙・降灰(御岳火口壁東斜面に形成された火孔より)
- 2004年1月 - :毎月小規模な噴火が継続(2004年2月に新火孔を確認、2008年の年間爆発回数は156回、2009年は216回)。2014年9月の連続的な噴火では、1997年の観測開始以来最高となる噴煙高度2200mを記録した[4]。
- 2016年9月15日23時05分 - : 噴火に関する火山観測報 現象:爆発
- 2020年7月16日07時27分 - : 噴火に関する火山観測報 現象:爆発
- 2020年12月28日02時49分 - :大きな噴石を伴う噴火[5]
- 2021年3月2日 - :2日から6日にかけて132回の爆発が観測されており[6]、火山活動が活発化している。
- 2021年6月23日00時04分頃 - : 噴火 噴火警戒レベル3
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<諏訪之瀬島で噴火が発生>気象庁噴火速報
気象庁は、6月23日(水)0時08分に、鹿児島県十島村(トカラ列島)の諏訪之瀬島に対して「噴火速報」を発表しました。 諏訪之瀬島は国内随一の活発な火山で、ここ数百年間で噴火が多発しています。 警戒範囲は御岳(おたけ)火口から概ね1kmの範囲とされていましたが、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から1km近くまで達する噴火が発生したため、噴火速報が発表されたものとみられます。
噴火警戒レベル引き上げ
6月23日(水)0時15分、諏訪之瀬島の噴火警戒レベルが、レベル2(火口周辺規制)からレベル3(入山規制)に引き上げられました。 御岳(おたけ)火口から概ね2kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
火山活動の状況及び予報警報事項
諏訪之瀬島の御岳火口では、21日22時54分と23日00時03分に、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から1km近くまで達する噴火が発生し、噴火活動が活発となっています。 今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生する可能性がありますので、火口から概ね2kmの範囲では、大きな噴石に警戒してください。 ▼対象市町村等 火口周辺警報:入山規制等 鹿児島県十島村
防災上の警戒事項等
御岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 **(参考:噴火警戒レベルの説明)** 【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。 【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要。 【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて要配慮者の避難準備等。 【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。 【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規制等。 (注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる)
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