療養者数ステージ4、23都道府県に拡大

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産経新聞

感染状況指標と状況

 

 

 新型コロナウイルスの人口10万人当たりの療養者数が政府の対策分科会で示されたステージ4(爆発的感染拡大)に達したのは23都道府県と、前週の17都道府県からさらに拡大したことが分かった。大都市圏だけでなく、地方への広がりも顕著になっている。 

 

 

【イラスト】他人に「うつす」時期はいつから?  

 

厚生労働省が14日に公表したデータによると、療養者数がステージ4となったのは福島、岐阜、広島、香川、佐賀、長崎、熊本、宮崎の8県。前週にステージ4だった三重と徳島はステージ3(感染急増)となった。人口10万人当たりの新規感染者数がステージ4だったのは22都道府県で、前週から倍増した。入院率がステージ3以上だった自治体も前週(11都道府県)から増えて15都道府県。  

 

緊急事態宣言の対象地域は東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に12日から愛知と福岡が加わり6都府県にとなったが、感染状況は確実に悪化。16日から宣言対象に追加される北海道、岡山県、広島県をみても、北海道のPCR検査の陽性率は前週の6・1%から15・4%、岡山の人口10万人当たりの新規感染者数が34・18人から57・99人、広島の人口10万人当たりの療養者数が21・2人から42・8人と、それぞれ大幅に増加している。

 

 

 

 

 ■「今一度、強い措置を」東京医科大特任教授・濱田篤郎氏の話  全国的に新規感染者数や入院者数が増え、医療の逼迫(ひっぱく)も拡大している。緊急事態宣言から3週間が経過した東京では急激な増加は抑えられているが、まだピークアウトして(頂点に達して)いない。大阪はピークアウトしているが、高止まりの状態。いずれも宣言が機能していないといえる。  中京圏では、愛知からの「染み出し」で岐阜の数値が悪化し、北海道では新規感染者数が2倍になっている。16日から緊急事態宣言の対象になる岡山、広島も厳しい状況だ。その他の地域でも福島、群馬、石川、香川で増加が目立ち、沖縄も再び増えている。  こうした状況は、感染力の強い変異株の流行や、連休が明けて人の動きが活発化したことが反映されているといえる。今一度、昨年4~5月の1回目の緊急事態宣言時のような、休校や企業への強い「在宅」の働きかけを考えるべきかもしれない。  仮に今の状態が続いても6月末には徐々に感染者数は減っていくと思うが、失われる命はもちろん、経済的な損失も結果的にかなり大きくなるだろう。今はワクチン接種という「光」が見えており、経済団体などに働きかけて、一時的に強い措置を取るべきだ。(談)