生活保護「扶養照会」 申請者の意向尊重求める通知 厚労省

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毎日新聞

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 生活保護を申請する際に自治体が親族に連絡し、援助できないか否かを問い合わせる「扶養照会」について、厚生労働省は、照会を拒んだ場合に丁寧に理由を聞き取って確認するなど申請者の意向を尊重するよう求める通知を出した。  通知は3月30日付で、自治体の職員が参照する「生活保護問答集」を改正する形で行われた。問答集によると、申請した人が扶養照会を拒んだ場合、本人に「特に丁寧に聞き取り」を行った上で、本来は扶養義務者にあたる親族について「扶養が期待できない者」か否かを判断するとした。「できない」と判断すればさらに個別に検討し、「扶養照会を行わないこととして差し支えない」とした。  従来は申請者の意向については記載がなかった。厚労省は「これまでも運用していたことだが、現場でより丁寧に対応してもらうために記載した」と話す。  扶養照会を巡っては、申請者と親族が20年ほど音信不通なら扶養照会をしなくていいとされていたが2月末の見直しで、この期間を「10年ほど」に緩和した。  さらに親族が70歳以上の高齢者や未成年であるケースや、親族から家庭内暴力(DV)を受けていた場合も照会不要だったが、虐待を受けているケースもこれに含めている。【村田拓也】