大和ハウスが「BIM BSI Kitemark」認証を日本初取得、23年4月には一気通貫BIMへ
川又 英紀
日経クロステック
認証機関のBSIグループジャパン(横浜市、以下BSIジャパン)は2021年2月25日、ISO19650(ISO19650-1、ISO19650-2)に基づく「設計と建設のためのBIM BSI Kitemark(カイトマーク)」を日本で初めて、大和ハウス工業に対して認証したと発表した。ISO19650は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って構築した資産のライフサイクル全体を情報管理するための国際規格である。そのISO19650の要件を満たすことを証明するのが、BIM BSI Kitemarkだ。
大和ハウス工業が日本で初めて、「設計と建設のためのBIM BSI Kitemark」の認証を受けた(資料:BSIグループジャパン)
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大和ハウスは20年11~12月にBSIジャパンの審査を受け、21年2月11日に認証を受けた。認証対象は、大和ハウスの設計BIMである。認証の有効期間は、取得から3年間。大和ハウスの南川陽信上席執行役員建設デジタル推進担当は、「当社の設計BIMが世界で通用することを確認できた」と認証を受けた意義を語る。同社が設計業務で独自に実施してきたBIMの取り組みが高い技術力を備え、かつ国際的な基準に合致しているのを明らかにできたことになるという。
会見した、大和ハウスの南川陽信上席執行役員建設デジタル推進担当(左)。右はBSIグループジャパンの根本英雄代表取締役社長(写真:日経クロステック)
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大和ハウスの認証書(資料:大和ハウス工業)
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大和ハウスは17年から、全社で設計BIMに取り組んできた。建築系の設計部門は21年3月末までに、BIMに完全移行できる見込みだ。さらに23年4月1日からは、「設計・施工・維持管理の一気通貫BIMを開始する目標を掲げている。それに向けて準備を進めている」。南川上席執行役員は記者会見で、意気込みを語った。
大和ハウスは全社でBIMを推進中(資料:大和ハウス工業)
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2020/10/23
今回の認証は設計BIMに限定したものだ。そのため大和ハウスは今後、施工BIMや維持管理BIMを次の認証ターゲットにしていくことになる。
今回の認証対象は設計BIMのみ(資料:大和ハウス工業)
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